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【モバイル決済キーパーソン】Origami PRコミュニケーション部 古見幸生ディレクターロングインタビュー「オープンな思想を持つ、スマホ決済の先駆け」

インタビュー

日付:2019/9/10

執筆者:森 路子

【モバイル決済キーパーソン】Origami PRコミュニケーション部 古見幸生ディレクターロングインタビュー「オープンな思想を持つ、スマホ決済の先駆け」

【モバイル決済キーパーソン】Origami PRコミュニケーション部 古見幸生ディレクターロングインタビュー「オープンな思想を持つ、スマホ決済の先駆け」

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【モバイル決済キーパーソン】Origami PRコミュニケーション部 古見幸生ディレクターロングインタビュー「オープンな思想を持つ、スマホ決済の先駆け」




◆はじめに――モバイル決済キーパーソンの考えを知る


2018年、新規スマホ決済サービスが続々と誕生する中、Origami Payは2015年からサービスをスタートしているスマホ決済サービスの先駆け的存在。他サービスとの大きな違いである提携Payや地域活性化に向けた取り組みを進めている。その思想や取り組みについて、PRコミュニケーション部 古見幸生ディレクターに話を聞いた。

【目次】


◆はじめに――モバイル決済キーパーソンの考えを知る

◆ユーザーの利便性を追求――ポイント制度を使わない理由とは

◆Origami Payの思想と新しい金融のかたち――提携で新たなシナジーを生む

◆セキュリティへの意識――スマホ決済は安全なのか

◆地域活性化とキャッシュレス――地域からお金が抜けない仕組みを




◆ユーザーの利便性を追求――ポイント制度を使わない理由とは


――まずはOrigami Payが誕生した経緯やきっかけを教えてください。

現在、スマホ決済事業を行っている会社は多くありますよね。IT企業、金融企業、小売り企業が事業化しているケースと、もう一つはスタートアップ企業です。スタートアップ企業がスマホ決済事業を行う事例は海外にはそれなりにあるのですが、日本でそこに位置しているのがOrigamiかと思っています。

Origamiは2012年に創業し、現在8年目になります。
弊社代表の康井はリーマン・ブラザーズ出身なのですが、ちょうどリーマンショックが起きた年に入社しています。その後シリコンバレーに行って、ベンチャーキャピタルのDCM Venturesという会社に入社しました。こういった代表の経歴から、Origamiは金融系スタートアップとして誕生しました。

Origamiは2013年にECサービスをアプリでスタートさせています。ECがやりたかったというよりも、インターネットを使って資金移動ができる基盤を作ろうというところからはじまりました。すでに、ECサイトは珍しいものではなくて、日用品から専門品まですべて揃うECや、ファッションに特化した専門的なECなどが存在していましたが、スマートフォンとソーシャル・ネットワークが普及した時期だったのでアプリを活用したソーシャルショッピングという領域を始めました。

モノを買う時の動機って、安いからとか、たくさん入っているとかじゃなくて、人の繋がりや、誰かのおすすめということがきっかけとなることが結構あると思います。当時のOrigamiはそれを実現していました。良いなと思った人をフォローしておけば、その人が良いと思っている商品が表示されるECアプリです。2013年のベストアプリとしてAppleさんから受賞されたりもしました。

Origami Payはその2年後の2015年にサービスを開始しますが、そのECアプリ時代の決済の仕組みが基盤となっています。

実際のお店で買い物をする対面決済でECの仕組みを使っているというと不思議に感じるかもしれませんが、インターネットを使って資金移動をするという点では同じです。
ただ、それを行っていいのかが明確ではなかった。
法令などの確認に2年かけて、2015年の10月に、Origami Payはスタートしました。


――Origami Payはスマホ決済の先駆けというイメージがあります。サービスインしてから現在までの間にユーザーや利用状況の変化はありましたか?

やはり日常使いをする人が増えました。日常使いで使ってもらうことを意識してサービス運営を行っているためか、継続して使ってくれる方が非常に多いです。

現金と比べて、キャッシュレスを使うユーザーメリットで考えると、やはり「利便性」と「お得になる」ということだと思うんですね。根っこはそこにあると思っています。

――御社はポイント還元ではなく、即時割引にしていますよね。何か狙いがあるのでしょうか。

僕らは決済のオープンなプラットフォーム、仕組みを作っていきたいと考えています。色々な企業と提携をしてその仕組みを提供しますが、自社の経済圏でお客様を抱えていくビジネスモデルではありません。

ポイントという観点でいうと、たとえば小売りの企業と提携して、その企業にポイントサービスがあってOrigami Payにもポイントサービスがあったら、どっちを使おう?と、どちらのポイントを使えばいいのかわからなくなってしまいますよね。そのため、Origamiは即時割引にしています。その結果、ポイントを楽しみたい方は、加盟店やカード会社が実施するポイントが貯められて、さらに私達の即時割引とダブルでお得になるわけです。使う人が悩むことのないようにしています。
ポイントだと失効してしまったりもしますしね。

Origamiは自社の経済圏としてお客様を抱え込みたいわけではありません。Origamiが抱え込みをするとなると、ユーザーは提携している企業とOrigami、どちらのお客様なのかとなってしまいます。そのため僕らが目指すのは、自社の経済圏としてお客様を抱え込むことをしない、オープンなシステムの提供です。


◆Origami Payの思想と新しい金融のかたち――提携で新たなシナジーを生む


――スマホ決済サービスを展開している企業は自社の経済圏を作っているところが多いですよね。御社はなぜ経済圏を作ったり、ユーザーの抱え込みをしないのでしょうか?

現状の金融のビジネスモデルは手数料モデルがほとんどです。クレジットカードであれば、支払ったときの何パーセントかを加盟店さんが負担したり、ATMで現金を引き出すときに手数料が発生したり。この手数料はそれぞれ専用の通信があって、電話で言うと3分通話を使ったから通話料10円ください、というような仕組みです。

現在では、インターネットを通じた通話は無料ですよね。インターネットというインフラはほとんど無料なわけです。金融にこれを照らし合わせると、手数料を必要としない金融サービスも実現できる可能性があります。

インターネットを活用した新しいビジネスをやっていくにはどうすればいいのかなって考えたときに、たとえばGoogleやFacebookのような企業はインターネットで生じた大量のデータを持っていて、そのデータに基づき広告ビジネスを展開しています。そのデータを生かしたビジネスに価値があるため、時価総額の大きな企業に成長してきたと言えます。

日本では、ECが14兆円くらいの決済市場規模だと言われているのですが、オフライン決済だといま大体その10倍くらいの市場規模だと言われています。そのオフライン市場がスマホ決済などによりインターネット化し、データが生まれ、その利活用による新しいビジネスモデルが作られようとしています。

ただ、その市場を僕たちだけで寡占しようとすることはありません。金融業を始めとする実業企業の方々と協働し新しいビジネスを起こした方が、いろんなシナジーが創出されると考えてます。

みんなで手を組んだ方が僕らの活躍の場も広がるように思っています。そのマインドセットは、Origamiならではかもしれません。皆さんと一緒になって、未来を創造していきたいですね。

――なるほど。実際に、トヨタさんやクレディセゾンさんとも提携していますよね。

Origamiの基本戦略に「オープン」というものがあります。ドイツなど世界の金融業はスタートアップと旧来の企業が手を組んだりすることも多いですし、実業企業とスタートアップが一緒になって事業を行うことは、フィンテックの世界では当たり前なのです。

たとえばクレディセゾンさんにはカードの残高や利用明細が確認できる、セゾンポータルというアプリがあるのですが、そこにOrigami Payを加わることで、普段から見ている残高からの支払いが可能になりアプリの利便性が高まります。トヨタさんには、レクサスオーナー専用のアプリ上に同様のサービスを提供しています。

スタートアップと大きな企業さんが協業することによって、シナジーを創出できると思っています。新しい金融業態ですね。


――新しい金融業態というのは面白いですね。それは浸透していくのでしょうか?

技術的には出来ることでも、行政の手続きによって、金融業界が出来ることと、Origamiのようなスタートアップで出来ることが違います。

たとえば、ユーザーにリアル店舗とECサイトでOrigami Payを使ってもらえたとすると、同じユーザーの行動を追うことができますよね。そうすると、その人の支払い状況などに基づいて信用度をはかって、お金を貸したりすることもできるかもしれません。こうなってくると金融業態と同じ仕事になってきます。

ただ、Origamiは貸金業ではないし、免許を持っていないのでお金を貸してはいけないんです。だから、カード会社さんとか元々お金を貸しているような人たちとやっていけたらいいなと思っています。直近で言えば、僕らは出来ないことも多いんです。そこをうまくコラボしながらやっていけたら良いですね。


◆セキュリティへの意識――スマホ決済は安全なのか


――スマホ決済はセキュリティや安全面についても話題になっていますが、Origamiのセキュリティに関する考え方を教えてください。

Origami Payは、お客様に安心してご利用いただけるよう安全なサービスの提供を目指し、セキュリティに関する情報やテクノロジーなど多様な側面で不断に向上していくことが重要と認識しています。「安心・安全・信用」ということは金融業の基本として、常に意識し、たとえば、カードや口座などの登録をするときやお支払いを行うときなど不正利用がされることがないか、状況を常時監視しています。

当社は今180人くらい社内にメンバーが在籍していますが、大体4割がエンジニア、4割がビジネス、2割が総務関係です。基本的に自社ですべてやっていく姿勢です。

(会議室もすべてガラス張りで一面見渡すことができるオフィス。Origami Pay専用のOrigami Kioskがある)


◆地域活性化とキャッシュレス――地域からお金が抜けない仕組みを


――最後に、今後の日本のキャッシュレス化についてや、その時の御社の役割について教えてください。

日本は、圧倒的にキャッシュレス対応のお店が少ないと思っています。現金しか使えないお店がまだまだ多いですよね。それがユーザーの中でキャッシュレスを使わない理由になっていると思います。

僕らは2019年内に導入店舗数145万ヶ所を目指しているのですが、そのためには大きなチェーン店だけでなく、地域の小売店さんに加盟店になっていただく必要があります。各地の信用金庫様などの金融機関の皆様には、Origamiのオープンな思想は地域にとってメリットがあるとご理解いただいて色々と一緒に取り組んでいます。たとえば、地域の住民の方が、地域の金融機関口座を紐づけて、地域のお店でお買い物をすれば、地域の中でお金が循環しますよね。地域でお金が流通していきます。

また、当社の提供する加盟店向けの販売促進のサービスを活用すれば、購入者に再来店を促すような情報提供や、割引クーポンの発行も簡単に行うことでより地域の経済が活性します。
キャッシュレス決済が日常のものとなることで、まずお金が地域から抜けない仕組み作り、どこで何が起きているのかという地域経済の見える化、リピーター客を取り込んでいけるような送客を実現することができます。

僕らはこの決済の仕組みを広く提供していくことで、日本の2020年以降のキャッシュレスビジョンに協力していけるのではないかと思っています。キャッシュレスが地域活性化につながるように、僕らも頑張っていきたいですね。




【編集後記】
他のスマホ決済サービスとは違う独自の道を進んでいるOrigami Pay。オープンな思想と取り組みは日本のキャッシュレス化の一端を担っていくのではないだろうか。




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この記事の執筆者

森 路子(モリ ミチコ)

森 路子(モリ ミチコ)

MMD研究所 研究員

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