コラム
2025年4月18日
ポイントを使った資産運用の新しいカタチ【2025年最新調査が示す!「経済圏シナジー効果」がもたらすサービス利用促進の新潮流 Vol.2】
Vol.1に引き続き、2025年3月12日に開催したセミナー「2025年最新調査が示す!『経済圏シナジー効果』がもたらすサービス利用促進の新潮流」内にてお話しした内容をまとめました。経済圏市場について最新のデータをぜひご覧ください。
2025年最新調査が示す!「経済圏シナジー効果」がもたらすサービス利用促進の新潮流
- Vol.1 競争激化!広がるポイントサービスの力
- Vol.2 ポイントを使った資産運用の新しいカタチ
- Vol.3 ポイ活プランで経済圏囲い込み!ユーザー維持戦略の勝者は誰?
目次
■ 資産運用と投資市場の新たな潮流
■ クレジットカードタッチ決済の普及と今後の市場展望
資産運用と投資市場の新たな潮流
最近ではポイントの貯め方や使い方だけでなく、ポイントを運用する時代が到来しています。特に注目すべきはPayPay証券の急成長です。PayPay証券は後発ながらも非常に強い勢いを持ち、口座開設者の9割がPayPayポイントの運用を利用した経験があるとのことです。ビットコインの運用も始まり、資産運用という領域でもポイントが活用されつつあります。
さらに、Vポイントも投資体験サービス「Vポイント運用」を開始し、今後はVポイント経済圏のユーザーが気軽に投資体験できる環境になります。今後さらに金融サービスでのポイント活用が進化していくことが予想されます。
現在、ポイント運用やポイント投資を行っているユーザーの状況は、まだ成長の余地が大きいことがわかります。特に「ポイント投資もポイント運用もしていない」と回答しているユーザーが多く、これからの市場の拡大が期待されます。
ポイント証券口座を持っていて運用もしているユーザーに対して、楽天が強い存在感を示しており、Pontaポイントの運用も急成長しています。
また、Vポイントの今後の動きにも注目が集まっており、これからのポイント運用や投資の展開にどのような変化があるのか、非常に興味深いところです。Vポイント経済圏が今後どう成長するのか、その動きが楽しみです。
MMD研究所では4月に最新のポイント運用・投資の調査を実施しますので、興味ある方はお気軽にお問い合わせください。
クレジットカードタッチ決済の普及と今後の市場展望
キャッシュレス決済の普及は急速に進んでおり、ついに国が掲げていたキャッシュレス決済率4割達成が経済産業省より報告されました。2023年は39.3%でしたが、2024年の発表で42.8%となっています。この進展に合わせて各社がさまざまな施策を仕込んでおり、キャッシュレス決済の利用は今後もさらに拡大すると予測されています。
一方、キャッシュレス決済の流通額(決済額)についてはクレジットカードが圧倒的な強さを誇っていますが、QR・バーコード決済の成長も目覚ましく、昨対比で138%の成長を見せています。今年もこの成長が続くのか落ち込むのか、今後どう進展するのかが注目されています。
今回の調査では現金を全く使わない人が増えており、現在では23.0%が1ヶ月間に現金を使用しなかったと回答しています。現金利用率において、コロナ前で約9割あったものから大きく減少し、現金利用が少なくなっていることが顕著に表れています。
クレジットカードは磁気カードを利用している人が57.0%を占め、クレジットカードのタッチ決済利用も4人に1人の割合に達しています。今後、クレジットカードのタッチ決済が中心になっていくと予想されます。一方、QR・バーコード決済も46.7%の利用率を記録しており、クレジットカードに迫る勢いです。
将来的に、子どもへのお小遣い支給がPayPayや楽天ペイなどのQR・バーコード決済で行われるような未来が予想されます。このような若年層へのキャッシュレス普及が進むことで、QR・バーコード決済の利用者数増加が今後期待されることでしょう。
クレジットカードの利用状況を見ると、dカードやau PAYカード、PayPayカードや楽天カードの動向が注目されています。
複数持っている中からメイン利用の浸透を、弊社では「下落率」と使っています。楽天カードは圧倒的なシェアを誇り、メインカードとしても高い浸透率を持っていて、下落率は一番低く11%です。次点でドコモのdカードとなり、25%の下落率を示していますが、特に注目すべきはゴールドカードの利用です。dカード GOLDは下落率もわずかで、これからも積極的に力を入れていくことが予想されます。
さらにドコモは「dカード GOLD U」を若年層向けに提供しており、これがどれほどの効果を生むのかが今後の鍵となります。若年層向けのカード戦略はドコモやPayPay、楽天など若年層と顧客接点が強い企業が、ファーストカードのシェアを伸ばすと考えられます。
現在、QR・バーコード決済市場ではPayPayが圧倒的な強さを誇っています。複数回答でPayPayを利用していると回答したユーザーの中で、ほとんどの人がメインの決済手段としてPayPayを使っています。PayPayの利用者は他のサービスに比べて下落率がほとんどなく、安定してメインで利用されていることがわかります。
楽天ペイは下落はしつつも、楽天経済圏効果も影響もあってか一定の水準を保っています。
QR・バーコード決済市場において、メインで利用するサービスはほぼ通信キャリア4社に集中しており、この4社が市場の93.0%を占めています。PayPayの独走に対して、特に通信キャリア間での競争が今後の市場の展開に大きな影響を与えることが予想されます。
電子マネー・非接触決済のカードタイプではVisaのタッチ決済がトップとなっており、最も多くの人々が利用しています。スマートフォンを使用した電子マネー・非接触決済では、モバイルSuicaがトップとなっています。
クレジットカードのタッチ決済が普及しているものの、スマートフォンを使った非接触決済の利用は思ったほど増えていないのが現状です。交通機関を中心にスマートフォンを使ったVisaのタッチ決済が普及していくことを期待しています。
次回も引き続き、同セミナー内容にてご紹介した内容をまとめてお伝えします。次回が本連載最終回です。ぜひ楽しみにお待ちください。
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