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コラム

2025年4月25日

ポイ活プランで経済圏囲い込み!ユーザー維持戦略の勝者は誰?【2025年最新調査が示す!「経済圏シナジー効果」がもたらすサービス利用促進の新潮流 Vol.3】

Vol.1、Vol.2に続き、2025年3月12日に開催したセミナー「2025年最新調査が示す!『経済圏シナジー効果』がもたらすサービス利用促進の新潮流」内にてお話しした内容をまとめました。今回で連載は最終回となります。経済圏市場について最新のデータをぜひご覧ください。

2025年最新調査が示す!「経済圏シナジー効果」がもたらすサービス利用促進の新潮流

目次

■ ポイ活プランによる経済圏囲い込み
■ 証券市場を席巻する2強の強さ
■ 楽天経済圏の強力なサービス連携の力
■ まとめ

 

ポイ活プランによる経済圏囲い込み

通信業界に関しては楽天が850万回線(2025年2月27日現在)を突破し、成長を続けています。楽天モバイルが目指す1,000万回線達成はまだ時間がかかるかもしれませんが、特に若年層に向けた楽天経済圏を活用したプロモーション活動が奏功し、若者層での利用拡大が顕著です。

一方3キャリアはユーザーのリテンションを重視しており、ここで重要なのがポイント還元型のプラン(ポイ活系プラン)です。このプランの目的は、ユーザーが長期的にサービスを利用し続けるように促すことと、ARPUを向上させることです。

3キャリアの現在の料金プランの約10%〜15%のユーザーがポイ活系プランへ移行しています。特にこれを利用したユーザーは、クレジットカード、QR・バーコード決済、電子マネー、ECなどの他のサービスとクロスユースする割合が高くなっています。ポイ活プラン自体の浸透により経済圏の囲い込みが進み、リテンションの向上が期待されています。

 

証券市場を席巻する2強の強さ

銀行と証券に関するデータについて見てみましょう。まず銀行は、ゆうちょ銀行、楽天銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行が上位を占めています。

証券は、楽天証券とSBI証券が圧倒的なシェアを持っています。PayPay証券はまだ1.9%となっていますが、これからの成長が期待されています。

 

楽天経済圏の強力なサービス連携の力

次に経済圏についてです。最も意識している経済圏は楽天経済圏で43.6%と最も高いシェアを占めており、圧倒的な強さを持っています。

楽天経済圏が強い理由は、クロスユースの強さにあります。楽天カード、楽天市場、楽天銀行、楽天証券といった主要なサービスが連携しており、ユーザーは貯める、使う、投資するという一貫した流れでポイントを活用しています。このように、楽天エコシステムで完結していることが、経済圏としての強さの要因となっています。

一方で、楽天経済圏の課題としては、モバイル通信とQR・バーコード決済の強化が挙げられます。楽天モバイルはこれをさらに強化していく必要があります。

ドコモ経済圏では、モバイル通信を利用しているユーザーが93.0%と非常に高い割合を占め、これに続いてドコモ光、dカード、dポイントなど、他のサービスにも高い利用率が見られました。
PayPay経済圏では、QR・バーコード決済の利用率が圧倒的に高く、PayPayが経済圏の中心となっているようです。
イオン経済圏ではWAONの利用が非常に強力であり、Vポイント経済圏では証券口座の利用が目立っています。

 

まとめ

キャッシュレス決済の普及によりポイントを軸にした経済圏が急速に広がり、複数の業界が相互に連携する新たなサービス利用の潮流が生まれています。クレジットカード、EC、銀行、証券などが一体化し、ユーザーに一貫したサービスを提供しています。これにより、ユーザーはポイントを貯める・使うだけでなく、投資・運用にも活用できる環境が整っています。

これらの経済圏間で競争が激化する中で、ポイント利用の拡大に伴う新たなサービスの導入が進んでおり、特に金融分野でのポイント活用が顕著です。金融サービスを拡充し、ユーザーに新しい投資体験を提供しています。ポイント経済圏の枠を超えた広がりを見せ、今後の成長が大いに期待されます。

今回ご紹介したセミナー資料とともに、ローデータやクロス集計が可能なデータもご用意していますので、ご自身での分析にも活用いただけます。ご購入を検討している方には一部調査データやレポートを直接お見せすることも可能ですので、興味がございましたらぜひお気軽に下記よりご連絡ください。

※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。

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