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コラム

2023年1月25日

アンケートだけで終わらせるなんてもったいない!インタビューと併用するメリット

目次

■ はじめに
■ アンケートだけで終わらせるのはもったいない!
■ 定量調査⇒定性調査へ アンケート結果の理由や背景を明らかにする
■ 定性調査⇒定量調査へ インタビューから導き出された仮説を検証する
■ 深く・正しい消費者理解には、定量調査と定性調査の併用が不可欠
■ おわりに

 

はじめに

MMDLaboでは、定量調査(アンケート調査など)と定性調査(インタビュー調査、会場調査など)を中心としたマーケティングリサーチをご提供しています。そして、これらの調査は併用することで、消費者インサイトをより理解しやすくなります。
※「消費者インサイト」とは、消費者自身も気づいていない深層心理のこと

今回は、定量・定性調査の中でも、アンケート調査とインタビュー調査を併用するメリットについてご紹介いたします。

※資料では、コラムでご紹介しているクライアント様以外のお取組み事例についてもご紹介しております。下の「データをダウンロードする」ボタンから、ぜひご覧ください。

調査概要や調査項目が分かる資料を
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アンケートだけで終わらせるのはもったいない!

MMDLaboにご相談いただくクライアント様の中には、「とにかくアンケートをやりたい」「消費者インサイトをアンケートで掴みたい」という方もいらっしゃいます。しかし、クライアント様のご状況を細かく聞かせていただくと、定量調査だけではなく定性調査も行った方が良い場合もあります。

「すでに仮説があり、市場規模を数的データで見たい」ということでしたら定量調査の実施で問題ありません。

「新規顧客獲得に困っているが、何をするべきか分からない」「顧客の離脱率を下げたいが、顧客がなぜ離脱しているか分からない」など、消費者インサイトを深く・正しく調査する必要のある場合には、定性調査で定量調査の結果を深く理解することをおすすめしています。

定量調査とは、インターネット上でアンケートを配信し、回答者の数的データから市場を把握する調査手法です。調査結果は、「Aのサービスの満足度は~%で、その理由は●●が最も多く~%」という数値データになります。

一方、定性調査はインタビュー調査など、対象者の発言や対象者を観察して見える仕草・行動といった数値化できないデータを収集し、対象者の潜在意識、動機などを探る調査手法です。調査結果は、「Pさんは、Aのサービスに満足している。その理由は●●と▲▲であり、その背景や経験からは■■というインサイトがありそうだ」という質的データになります。

定量調査の場合、回答者は自分が認知していることだけしか答えることができないので、調査結果は「回答者が自分で認知している事実」のみになります。したがって、ここから発見できるのは消費者インサイト(消費者自身も気づいていない深層心理)の“仮説”にとどまります。

また、調査結果は事前に調査票※に盛り込んだ質問のみからしか分析できないため、調査票設計の段階で想定した以上の回答や意見を得にくいというデメリットもあります。
※「調査票」とは、実際に配信する質問文、選択肢を記載したもの

そこで、定量調査だけでなく定性調査を併用することにより、客観的事実に追加して「回答者が自分で認識していない事実」も把握することや、回答者を丸ごと理解して発見できる消費者インサイトの質を格段に向上させることができるのです。
定性調査では事前に想定していなかったユーザーならではの声を聴くことができるのも、定性調査の大きなメリットです。

では、定量調査と定性調査を併用して実際にどのようなことが分かるのか、過去のクライアント様との事例をご紹介します。

 

定量調査⇒定性調査へ アンケート結果の理由や背景を明らかにする

定量調査を行った後に定性調査を行う場合は、定量調査の回答者からインタビュー対象者を選ぶことができます。インタビュー対象者の回答結果を把握してからインタビューを行うことができるため、アンケートの回答内容を確認しつつ、その回答に至った理由や背景を詳しく聞くことができます。

クライアント様とのお取組み事例①

①自社顧客向けにアンケートを実施


まず自社顧客のロイヤルティ※を図る定量調査ユーザーをロイヤルティの高さで6分類し、それぞれのユーザーの価値観や特性について分析を行いました。それぞれの層のユーザーがどの程度いるのか、どのような理由でサービスを利用開始した人が多いのかなど、ユーザー層ごとの違いを明らかにしました。
※「ロイヤルティ」とは、直訳すると「忠誠」や「忠義」となり、商品やサービスに対する愛着や信頼感のこと
 

②アンケートの回答者の中からロイヤルティの低い方を抽出し、インタビューを実施


その後、ロイヤルティの低い方に「なぜ満足度が低いのか?」「何を改善すれば満足度が上がるのか?」「なぜその改善が対象者にとってどのような意味があるのか?」など、サービスに求める本質的な価値を明らかにするインタビュー調査を行いました。

調査結果はラダリング※で分析し、下の図のようにまとめました。
※「ラダリング」とは、「はしごをかける」という意味で、商品やサービスの具体的な特性が、どのような文脈で生活者にとっての価値に繋がっているかを解明すること

定量調査では「料金」や「通信品質」がユーザーの不満点だと分かる一方、「料金」や「通信品質」の特にどのような点に、なぜ不満を感じているのかという深掘りができません。

そこで定性調査を行い、不満に思う理由について深掘りをしたところ、「事前に想定していないことが発生することへの不満、不信感」があるということが発見できました。つまりこのギャップを埋めれば、消費者とのすれ違いによる満足度の低下は避けられるのではないか、という結論を導き出すことができます。

この打ち手は定量調査だけでは見えにくい部分になるので、定量調査と定性調査を併用する強みであると言えます。

③アンケートの回答者の中からロイヤルティの高い方を抽出し、インタビューを実施

インタビュー調査はロイヤルティの高い方にも行い、「利用者のリアルな声」として公式サイトでご紹介しました。(MMDLaboのコンテンツ制作について、詳細はこちら)サービスの利用開始を迷っている人にとって「利用者のリアルな声」はサービスを自分事として考えていただくきっかけになります。実際の利用者の声は親しみを持ちやすく、利用開始前のハードルを下げることが期待できます。

 

定性調査⇒定量調査へ インタビューから導き出された仮説を検証する

定性調査を先に行い、後から定量調査を行うこともおすすめです。この手法が向いているのは、「定量調査をするための仮説がない」「仮説をどのように立てれば良いか分からない」という場合です。

定量調査を行う際に、仮説があまり固まっていない状態で設問の項目の検討に入ってしまうと、本来明らかにするべきことが十分に聴取できない可能性があります。このような場合、仮説を発見するために定性調査を行い、その仮説検証として定量調査をすることがおすすめです。

クライアント様とのお取組み事例②

①スマートウォッチ利用者にインタビューを実施

まずはインタビュー調査からターゲットとする人物のペルソナ(架空のユーザー像)を作成しました。

インタビューはスマートウォッチ利用者を対象に行い、スマートウォッチの利用実態、スマートウォッチに感じる価値や心理的背景から、どのような属性・価値観の層に刺さりやすいか、どのようなアプローチが有効かを仮説立てしていきました。

②アンケートでペルソナの市場規模を調査

①を行った後、社内でのワークショップを通じて具体的なペルソナ像を作成しました。案は複数上がりましたが、それぞれのペルソナ像の市場規模を定量調査で把握することで、ビジネスとして妥当なターゲット像を選定することができました。

※この事例の詳細はこちら

 

深く・正しい消費者理解には、定量調査と定性調査の併用が不可欠

定量調査と定性調査の併用をおすすめする理由は、それぞれの調査が持つ得意分野が異なっていることに他なりません。
それぞれの調査で明らかにできることを組み合わせることで、より消費者理解を深めることができます。
「調査の基本から知りたい」「定性調査って、そもそも何?」という方は、過去のコラムでご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

※調査の進め方など、基本から知りたい方はこちら

※定性調査について知りたい方はこちら

 

おわりに

MMDLaboでは、調査が初めてというお客様から定期的に調査を行われているお客様まで、様々なお客様より調査のご依頼をいただいております。
調査を行うに至った背景やお悩みをヒアリングし、お客様の課題やご予算に沿った調査手法、内容をご提案させていただきます。
お見積もり、ご相談は無料で承っております。
調査のご相談、ご依頼がございましたらお気軽に下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。

※資料では、コラムでご紹介しているクライアント様以外のお取組み事例についてもご紹介しております。下の「データをダウンロードする」ボタンから、ぜひご覧ください。

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