コラム
2023年2月2日
MaaSへの取組みに対するモビリティサービスの展開のヒント
目次
■MaaSにおける日本の動き
■MaaSの認知とモビリティサービスの現状
■海外におけるMaaSの事例
■日本でMaaSを実現させるには?
MaaSにおける日本の動き
近年モビリティの在り方は変化し続け、カーシェアやシェアサイクルなどシェアリングサービスの拡大も伴って法整備が進められています。最近では、目的地が近い乗客同士が同じタクシーを相乗りし、運賃を割り勘する「相乗りタクシー」が2021年11月1日に正式に運用が可能となり、2023年7月1日からは電動キックボードが免許不要で歩道走行可能になるなど、モビリティ関連の注目されるニュースが続いています。
国土交通省はMaaS(マース:Mobility as a Service)を「地域住民や旅行者一人一人の移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービス」と定義しています。国土交通省をはじめ、政府は現在MaaSや新しいモビリティサービスの普及を急いでおり、都市や地方が抱えるモビリティ課題を解決するための法整備や事業者間の連携に注力しています。
今回のコラムでは、先日実施した「移動におけるサービス(MaaS)に関する調査」を基に海外のMaaS事例を含めて今後の日本でMaaSを確立させるには何が必要なのか見ていきます。
MaaSの認知とモビリティサービスの現状
今回の調査でMaaSの認知度は18.3%、内容理解は5.9%となり、年代別で見ると内容理解は20代(n=1,600)が10.3%、10代(n=294)が9.5%と若年層は他の年代に比べて高い結果となりました。とはいえ、全体的に認知が低いことが分かりました。
日本にもMaaSに関連するサービスはあるものの、「MaaS」を想起させる代表的なサービスが無いことから、言葉を耳にする機会は少ないのかもしれません。
MaaSに関連するサービスの認知率を見ると、「マップ・ナビゲーション」以外はすべて4割に満たないことが分かりました。マップ・ナビゲーション以外は、展開されている地域が限られているため、なかなか認知が広がらないことが考えられます。
では、ここで認知から利用経験への転換率(認知している人のうち何%が利用経験まで至っているのか)を見ていきましょう。
MMD研究所(編集部員)