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コラム

2022年8月29日

法人携帯サービスの現状とデータから見る突破口

目次

■ 法人携帯サービスの現状
■ 通信キャリアの法人事業
■ 社用携帯の導入ポイント
■ 通信業界の社用携帯導入アップのカギ

 

法人携帯サービスの現状

法人向けの携帯電話について、端末自体が支給されているのか、IP電話のみの支給なのか、それとも端末・番号支給なしなのかは企業によってさまざまです。
また、通信キャリア各社では通信料金の値下げの影響から、経済圏サービスおよび法人事業への注力を掲げています。

上記からMMD研究所では大企業、中小企業の法人携帯の利用実態を聴取し、企業規模別の実態を明らかにしています。今回のコラムではその調査を紹介しつつ、法人携帯についてお話していきます。

それでは、法人携帯の利用について見ていきましょう。

端末自体の支給(以下、社用携帯)は大企業が42.1%で中小企業が30.4%と10.0ポイント以上の差がありました。大企業の方が社用携帯の支給をされているようです。
端末・番号支給なしで完全個人携帯での会社利用は大企業、中小企業ともに約6割の結果となり、中小企業が少し多い結果となりました。3種類の会社利用の携帯電話では個人携帯利用がトップです。

社用携帯の場合は個人所有の端末を含めて2台持たなければなかったり、個人の携帯電話だと仕事とプライベートの切り替えが難しかったり、会社利用なのに料金は個人負担だったりとそれぞれで課題があります。ですが、2つ目と3つ目の課題は社用携帯であればクリアにできる問題です。

 

通信キャリアの法人事業

次に、通信キャリアの法人事業について見ていきましょう。

NTTドコモ
2021年にNTTコミュニケーションズとNTTコムウェアの子会社化により、ドコモ含め3社合わせた法人事業の拡大として、新しく「ドコモビジネス」を立ち上げて事業展開しています。また、通信料金の値下げにより、通信事業単体での成長は見込めないとして、今後は法人事業とスマートライフ事業に力を入れるとしています。

KDDI
2021年に「NEXTコア事業」で法人事業の持続的成長を目指すと発表しました。通信料金の値下げや楽天モバイルからのローミング減少、さらに通信障害も重なり、通信事業の成長は難しいとされていますが、通信事業以外では法人事業や金融事業が好調に伸びています。

ソフトバンク
法人事業は収益における第二の柱になるとしており、ソリューション分野において企業や社会のDXを推進しています。また、通信料金の値下げ影響はあるものの、そのピークを迎えてきたとして徐々に減収が下がっていき、法人事業では特にクラウドの成長が良く、今後の継続的な売り上げも見込んでいます。

楽天
楽天市場が基盤にあるため、法人向けサービスは多岐に渡ります。通信事業では「0円プラン廃止」により解約は増えているものの月額料金を支払うユーザーが増加しており、それに合わせてネット品質の向上やオプション拡充で収益改善を見込んでいます。

通信料金の値下げにより、通信キャリアのほとんどは個人向けの通信事業において厳しい状況を強いられています。しかし、法人事業に関しては好調であり、通信の法人関連が伸びる可能性もありそうです。

では、実際導入することについて企業はどう思っているのでしょうか?

社用携帯を導入していない企業に導入したいかどうか聞いたところ、大企業は68.9%、中小企業は43.4%が導入したいと回答しました。大企業は導入したいとの回答が半数を超えていますが、中小企業に至っては導入したいと思わないとの回答が半数を上回っています。

とはいえ、導入したいとの回答は少なくない結果だと思います。大企業だけでなく中小企業にも社用携帯を勧める余地はありそうです。

 

社用携帯の導入ポイント

次に、社用携帯の導入理由について見ていきましょう。

社用携帯導入者、導入希望者ともに「管理がしやすいため」がトップとなりました。2位以降は、社用携帯導入者では「生産性向上」「社内コミュニケーション活性化」と続き、社用携帯導入希望者は「仕事とプライベートの切り替えがしやすい」「経費精算がしやすい」と続いています。

トップは両者同じですがそれ以降に違いが出ており、実際に決め手となり得るのは社用携帯導入者の上位にあるものかもしれませんね。

続いて、社用携帯の導入検討のチャネルを見ていきましょう。
こちらも社用携帯導入者、導入希望者ともに「通信会社からの営業」がトップとなりました。

社用携帯導入者の上位が営業や紹介で固まっていることから、社用携帯に関して受動的になっていそうです。検討してもらうためには実際に営業をかけることが一番の近道かもしれませんね。

 

通信業界の社用携帯導入アップのカギ

さて、社用携帯の導入理由や導入検討のチャネルを見てきました。社用携帯の導入を増やすためには社用携帯導入時の重視点も知る必要があります。

社用携帯を導入する上で企業が重視している点は、大企業、中小企業ともに1位が「通話料」、2位が「通信料金」と金銭面が多い結果となりました。「ウイルス攻撃対策」も上位にあり、セキュリティ面も重視していることが分かります。

会社利用の携帯電話で個人の携帯利用がトップなことからも企業規模関係なく金銭面が課題であり、この点をクリアできることが導入のポイントとなるのではないでしょうか。

また、社用携帯導入未予定者の導入したいと思わない理由として「社員の個人所有の携帯電話で事足りるから」「費用対効果を感じられないから」「パソコンなど、他のデバイスで事足りるから」が上位となり、導入予定のない企業へは金銭面はもちろん、セキュリティ面へのアプローチもポイントになりそうです。

2022年3月MNOの満足度調査」でも個人所有の携帯電話で金銭面が重視されているのと同様に、法人の導入も重視されていることが分かります。通信キャリアとしてMNOのブランドはとても強いですが、価格ではMVNOの得意分野であり、その点をいかに企業へ伝えるかが導入アップへのカギとなるのではないでしょうか。

MMD研究所では今後も法人携帯の利用動向について調査を行っていきます。調査データへのお問い合わせなどございましたら、下記お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

また、顧客インタビューをして認知拡大のお手伝いも可能です。事例がございますので、興味のある方はぜひこちらをご覧ください。

 

※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。
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