コラム
2022年9月7日
アンケートデータの読み取り方
目次
■ はじめに
■ まずは単純集計
■ クロス集計でデータの深掘り
■ クロス集計で仮説の検証
■ クロス集計表の読み取り
■ おわりに
はじめに
消費者の動向を知るためにアンケート調査をしたものの、アンケートデータをどう読み取れば良いのか分からない、その後どう活用すれば分からない、ということはありませんか?
そんな方に向けて、今回はMMDLaboで実施している基本的な集計方法や、データの読み取り方をご紹介します。
まずは単純集計
まず、アンケートの回収が完了したらアンケートの設問ごとに回答した人数を集計し、割合や平均値を算出していきます。この方法を「単純集計」といいます。単純集計して作られた表を、単純集計表またはGT表(GT:Grand Total)ともいいます。
単純集計ではデータ全体の傾向を把握するために行い、集計時には回答した人数をn数、全体に占める割合を%で表します。
下図の例ではアンケートに回答した40,000名のうち、「男性」と回答した人数(n)は25,000名となり、全体に占める割合は62.5%となります。女性は15,000名で、全体に占める割合は37.5%となっており、回答者は女性よりも男性が多くなっており、男性に偏っていることが分かります。
そのため、男女を均等に見るには不適切なデータになっていそう、男性向けの商品を考えるには最適なデータかも・・・など1つの単純集計だけでも、様々な読み取り方ができます。
※図の数値はダミーデータ
クロス集計でデータの深掘り
単純集計をしてデータの全体像を把握したら、さらにデータを深掘りするため「クロス集計」を行っていきます。
クロス集計はアンケートの設問と設問を掛け合わせて(クロスして)集計する方法で、分析をする際に用いられる基本的な手法であり、データの相互関係や因果関係を調べることができる有効的な集計方法です。
また、より有効的なクロス集計を実施するためには、調査企画の段階で軸となるデータを定めていくことが重要なポイントとなります。
クロス集計で仮説の検証
すぐにクロス集計を実施・・・ではなく、前段で触れたように軸となるデータを定めるため、調査企画をした時の仮説を振り返ります。
例えば、「自社サービスを利用しているユーザーの特徴を知りたい」という調査目的を持っており、「性年代ごとにサービスを契約した時期に違いがある」という仮説を持っていたとします。
この仮説を検証するには、単純集計では知ることが出来ないため、性年代別のクロス集計を行い、結果を検証していく必要があります。
そこで、下図のように性年代別のクロス集計表を作成してみます。
このクロス集計表の構成は下記のようになっています。
- 左側の縦軸は「表側」と言われ、原因・説明変数を表します。下図の表側は、性年代(10代男性、20代男性・・・)となります。
- 上側の横軸は「表頭」と言われ、結果・目的変数を表します。下図の表頭は、サービスを契約した時期(2022年1~2月、2021年・・・)となります。
- 「全体」となっている行は単純集計の数値となっています。
※図の数値はダミーデータ
クロス集計表では行に沿って横方向に集計し、基本的には列に沿って縦方向にデータの結果を読み取っていきます。上図では、性年代ごとに契約時期の違いがないか読み取ることができます。
縦方向にデータの結果を読み取って、さらに軸となっている表側の項目ごとに傾向を見たい場合、行に沿って横方向にデータを読み取っていきます。上図では、性年代別に例えば10代男性、20代男性の傾向をそれぞれ読み取ることができます。
それでは、クロス集計表が作成した後に一番重要となる、読み取りをしていきましょう。
クロス集計表の読み取り
上図のデータを見ていきますと、下記のようなことが分かります。
- 2022年1~2月に契約したのは男女ともに10~20代が多い
- 全体では2016年以前に契約した人が最多となり、中でも40代~50代女性に多い
※他にも特筆すべき点はありますが、上記2点に着目しています。
この結果から、下記のような仮説が浮かび上がります。
- 若年層程、最近利用を始めた人が多く、サービスを使い続けている人は少ないのでは
- 年齢が上がる程、サービスを使い続けている人が多いのでは
この浮かび上がった仮説をより検証していくために、例として「今、利用しているサービスを利用している理由は?」と聴取している設問とのクロス集計の結果を見ていきます。
そのクロス集計表から、若年層が「前のサービスが不満だったから」の回答割合が高かったとします。
すると、「前のサービスよりも良いと思ってくれて利用を始めてくれた人が多いのか。それなら、自社サービスを使い続けてもらうためにも前のサービスでは何が不満で利用をやめてしまったのか?」と、また出てきた疑問をデータで深掘りしていくことで、「ユーザーの特徴を知る」という調査目的の達成に繋がっていきます。
このように仮説を検証していくためにも、調査企画の段階で軸となるデータを定めていき、設問設計をしていくことが重要となります。
おわりに
これまで、クロス集計や読み取り方などご紹介しましたが、MMDLaboではお客様の目的に沿った分析を実施していくことを重視しており、その後の仮説検証や打ち手の提案も重要としています。
クロス集計に関して、基本的には調査企画書に記入いただいたクロス集計を出力し納品しておりますが、追加のご要望にも対応可能です。(クロス集計の数が多くなる場合、別途費用をいただく可能性がございます。詳しくは担当の営業にご相談ください。)
詳しいデータ集計やレポーティングについてや、実際にお取り組みさせていただいたお客様からの評価についてもコラムにてご紹介しておりますので、ご興味がある方はぜひご覧ください。
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