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コラム

2023年10月10日

スマホローンの台頭とユーザーの傾向

目次

■ 個人向け借り入れサービスの現状
■ 進むスマホローンの普及
■ 若年層に受け入れられるサービス
■ ユーザーの傾向は他にも

 

個人向け借り入れサービスの現状

現在、金融事業は決済・金融関連事業者だけではなく、通信キャリアからIT企業まで幅広く参入しています。さらには「スマホローン」と呼ばれる、スマートフォンのみで簡単にお金を借りることのできるサービスが広がりをみせています。

先日行った「2023年8月個人向け借り入れ・ローンに関する調査」では、直近1年で個人向け借り入れ・ローンの利用経験があるのは26.6%という結果になりました。利用したサービスについてカテゴリ別にみてみると、カードローンなどを取り扱う「クレジットカード系」が66.3%と最も多く、次いで「キャッシュレス決済系」が43.2%となっています。

ここ数年で広まった新しいサービスがユーザーに受け入れられていることが伺えます。

 

進むスマホローンの普及

昨今あらゆる分野でサービスのオンライン化が進んでいますが、個人向けの借り入れサービスも例外ではありません。キャッシュレス決済系ではLINEやメルペイがスマホローンとして参入しており、消費者金融系ではアコムやレイクなどもアプリで完結する借り入れサービスに力を入れています。

調査では、直近1年で個人向け借り入れ・ローンの利用経験がある人のうち47.3%がスマートフォン完結型のサービス利用経験があるという結果でした。

ユーザーにとって身近なスマートフォンで完結できる、また店頭に行くことなく小額から気軽に借り入れることができるスマホローンによって、お金を借りるということのハードルが下がっているといえます。

 

若年層に受け入れられるサービス

さらに、スマホローンの利用率を年代別で見ていくと、特に若年層に受け入れられていることがわかりました。

スマホローンの中でも、とりわけキャッシュレス決済系の利用率が消費者金融系と比べても高くなっています。LINEやメルカリなど、ユーザーにとって身近なサービスから展開されていることで、認知するきっかけも多く、従来の消費者金融に対しての印象とは異なるイメージで受け入れられていると考えられます。

また、今回の調査ではサービス利用までの情報収集についても聴取しています。

年代別に見ると、年代が低くなるにつれて情報収集を行う割合が多いことがわかりました。20代では特に、「WEB上の口コミ」「SNSの口コミ」といった、利用者の声が重視されています。お金を借りるという行為に対する懸念を、実際に利用している人の感想なども踏まえ払拭できるかを重視する傾向にあるのではないでしょうか。

 

ユーザーの傾向は他にも

スマホローンのユーザーはクレジットカードの利用方法とも相関がありました。

こちらは、クレジットカードの支払い方法とスマホローンの利用経験を比較した図です。クレジットカードの支払いに対して、分割払いやリボ払いを利用したことのある人の方がスマホローンの利用経験率が高くなっています。スマホローンは普段から利息や手数料などをあまり意識しない層が気軽に利用しやすいサービスになっているといえます。

スマホローンによって借り入れに対するハードルが下がっているからこそ、滞納や多重債務などの状態に陥らないよう、計画的に返済できる額のみ必要に応じて借りる、借入残高を正確に把握するなど自己管理も必要です。スマートフォンで手続きが完了することに加え、借り入れ状況をデータとして管理でき、きちんと返済計画を立てることができる、といったサービスも需要としてあるのではないでしょうか。
今後も、ユーザーの動向に注目していきたいと思います。

今回の調査では、この他にも

  • 借り入れ・ローン利用者の心理
  • 借り入れ・ローン利用理由
  • 過去の借り入れ経験

などについても聴取しております。データやレポートの販売も行っておりますので、ご興味のある方はお問い合わせください。

MMD研究所では引き続き新しいサービスやアプリにも注目して調査を行っていきます。ぜひ今後のリリースも楽しみにお待ちください。
調査データへのお問い合わせなどございましたら、下記お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。

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