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コラム

2021年8月31日

シニアのスマートフォンとフィーチャーフォン所有率の増減と3Gサービス終了の意識

目次

■ 年々増加するスマートフォン利用者と減少するフィーチャーフォン利用者
■ スマートフォン利用者のコロナ禍でのスマートフォン活用法
■ スマートフォンに乗り換える時はオンラインか店舗か
■ まとめ―3Gサービス終了でスマートフォンの所有は増えるのか

 

年々増加するスマートフォン利用者と減少するフィーチャーフォン利用者

3Gサービス終了まで一番近いキャリアでは残り1年を切りました。au(2022年3月31日)、SoftBank(2024年1月下旬)、docomo(2026年3月31日)の順に各キャリアで3Gサービスが終了し、3Gサービスを利用したデータ通信や音声通話が不可能となります。

フィーチャーフォン利用者で4G対応端末ならまだ心配はいらないですが、3G対応のみの端末であれば乗り換えを余儀なくされるのは明白です。総務省は今年の3月に「デジタル活用支援アドバイザリーボード」を設置し、5月18日に総務省からシニアにスマートフォンの使い方を教える「デジタル活用支援」の策定が公表されました。まもなくデジタル庁が発足されることもあり、政府は国民がデジタル化から取り残されることがないよう動いてくれます。

フィーチャーフォン自体はまだ無くなりませんが、いずれはフィーチャーフォン端末がすべて使えなくなりスマートフォンのみの販売になると考えられます。

MMD研究所では2021年7月16日~7月19日の期間で「2021年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」および「第2弾 2021年シニアのスマートフォン・フィーチャーフォンの利用に関する調査」を実施いたしました。その結果を一部ご紹介しながらシニアのスマートフォンとフィーチャーフォン所有や意識の現状を見ていきます。

まず、シニアのモバイル端末所有状況を見てみましょう。
60歳~79歳の男女10,000人を対象に、モバイル端末の所有について聞いたところ、モバイル端末の所有率は93.8%となりました。さらに、モバイル端末所有者のうち、「スマートフォン」が84.7%、「フィーチャーフォン」が11.4%という結果です。

2012年からシニアのモバイル端末所有率を聴取しており、その推移を見るとスマートフォンとフィーチャーフォンは反比例して増減しています。スマートフォンは2021年(n=9,379)では84.7%となり、2012年(n=769)の12.7%と比べると72.0ポイント増加、フィーチャーフォンは2021年(n=9,379)では11.4%となり、2012年(n=769)の87.3%と比べると75.9ポイント減少となりました。今年の結果と2012年の数値がほぼ逆転したものとなっており、来年または再来年にはそれを超えた結果になると考えられます。

スマートフォンのメイン利用者500人に、スマートフォンを利用する前にフィーチャーフォンを利用していたか聞いたところ、92.8%がフィーチャーフォンを利用していたと回答し、フィーチャーフォンからスマートフォンへ乗り換えしたシニアが多数であることが分かりました。

性年代でみると、70代は男女の差があまりないものの、60代では男女でフィーチャーフォンを「利用していた」差が6.1ポイントあり、60代女性の初のモバイル端末はスマートフォンの傾向があることが分かりました。

各キャリアのスマホ教室が実店舗やオンラインで実施していることや、家族とのコミュニケーションのため、スマートフォンへ乗り換えるシニアが増えているのかもしれません。

 

スマートフォン利用者のコロナ禍でのスマートフォン活用法

新型コロナウイルスの収束がまだ掴めない現在、在宅時間が増えた方も多くなりましたが、スマートフォンをメイン利用するシニアはスマートフォンを活用して新しく始めたことや頻度が増えたものはあるのでしょうか。

今回の調査でシニアがスマートフォンを活用して新しく始めたことや頻度が増えたものとしては「オンラインショッピング」、「家族、友人との音声通話」、「散歩」の順と来ており、昨年の結果と上位2項目が同様の順位となっています。全員に聴取した、スマートフォン利用に限らないシニアの新しく始めたことや頻度が増えたものの結果では「オンラインショッピング」は7位、「家族、友人との音声通話」は10位となり、スマートフォンの活用有無で差が出た結果となりました。

性年代でみると、60代70代ともに男性は「散歩」、60代女性は「オンラインショッピング」、70代女性は「家族、友人との音声通話」がそれぞれ1位という結果となりました。

スマートフォンの活用について、さらに細かく見てみましょう。
本調査においてスマートフォンで新しく始めたことや頻度が増えた246人に、具体的なアプリやサービスを聴取したところ、「LINE」が61.0%とトップになりました。さらに上位5位以内には「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」、「Amazon」がランクインしており、オンラインショッピングを活用していることがうかがえます。

毎回パソコンを起動しなくていい点や、どこにいてもアプリで簡単に注文できる気軽な点、コロナ禍で外出を控える傾向にあることからスマートフォンでのEC活用について良い点が浮き彫りになっていると考えられます。

 

スマートフォンに乗り換える時はオンラインか店舗か

次に、フィーチャーフォンの利用者に着目します。
フィーチャーフォンまたはガラホを利用している1,334人に、スマートフォンへの乗り換え意向を聞いたところ、48.2%が乗り換え意向があるとなり、「いますぐにでも乗り換えたい」と回答した人は2.5%でした。「いますぐにではないが、乗り換えを検討している」と回答した人は45.7%ですが、利用しているキャリアの3Gサービス終了や端末の故障などのきっかけがあるまでは乗り換えないと考えられます。

性年代でみると、70代は男女であまり差は見られませんが、60代では「いますぐにでも乗り換えたい」と「いますぐにではないが、乗り換えを検討している」を合わせた乗り換え検討の差が男女で8.2ポイントあり、60代女性の方がスマートフォンへの乗り換え検討していることが分かります。

次に、本調査においてスマートフォンへ乗り換え検討している500人に、もしスマートフォンに乗り換えをする場合、オンラインと店頭どちらで契約するか聞いたところ、「オンラインで契約」は26.2%、「店頭で契約」は73.8%となり、さらに1人で決めるか相談して決めるかでは「1人で決めて契約」が22.8%、「相談して契約」が77.2%となりました。スマートフォンをメイン利用している500人には実際の契約方法と契約場所を聞いてますが、契約場所の差はあまり見られないことから店頭で契約することの安心感がうかがえます。

続いて、スマートフォンを利用開始した際にキャリアに期待するサポートを聞いたところ、「簡単な使い方の冊子の配布がある」、「自分の使い方を伝えるとスタッフが最低限の設定をしてくれる」、「電話で聞ける」の順で要望が多く、ビデオ会議ツールを使ったサポートやSNS上の講座配信の順位が下にあることを見ると、アナログのサポートが必須であることが分かります。

 

まとめ―3Gサービス終了でスマートフォンの所有は増えるのか

冒頭で記載したとおり、まもなくデジタル庁の発足、3Gサービスの終了があります。今回の調査結果から、現在フィーチャーフォン利用者はスマートフォンへ乗り換えを検討している人が約半数いるため、今後もシニアのスマートフォン利用者は増加していくでしょう。3G対応のフィーチャーフォンが無くとも、4G対応のフィーチャーフォンは引き続き利用できるため、もしかしたらスマートフォンへの乗り換え検討していない人の中にはフィーチャーフォンからフィーチャーフォンへの乗り換えをする人も出てくるかもしれません。また、3Gサービス終了時期がキャリア毎に違うことから、引き続き3Gサービスを利用できるキャリアへの移行も考えられます。今後、各キャリアが順番に3Gサービスを終了した際のサポートがどうなるのか、また移行がどの程度行われるのか注目する点となりそうです。

今回の調査では3Gサービス終了に関しての聴取はありませんでしたが、MMD研究所では近日、シニアを対象に3Gサービス終了に対しての調査を予定しております。
また、シニアのスマートフォンやフィーチャーフォンの所有率などは引き続き定点で行っていきます。調査データへのお問い合わせなどございましたら、下記お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡くださいませ。


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