コラム
2025年3月19日
暗号資産投資の成功戦略!安定成長と取引継続の秘訣【日本の暗号資産市場解説セミナー Vol.2】
2025年2月13日に開催した「日本の暗号資産市場解説セミナー」内にて後半ご紹介した内容をまとめてお伝えします。暗号資産市場について最新のデータをぜひご覧ください。
日本の暗号資産市場解説セミナー
- Vol.1 投資初心者から上級者までデータが示す暗号資産の活用動向
- Vol.2 暗号資産投資の成功戦略!安定成長と取引継続の秘訣
目次
■ 2023年以降に暗号資産の新規参入者が増えている理由を探る
■ 投資家が取引を決める前に参考にする情報源とは?
■ 初心者と上級者で異なる暗号資産取引所の選び方
■ 暗号資産の安定成長が取引継続の意欲を高める要因に?
■ まとめ
2023年以降に暗号資産の新規参入者が増えている理由を探る
暗号資産取引を開始した時期を見ると、2023年から2025年にかけて取引を始めた人が増加しており、年々右肩上がりの傾向が見られました。特に2023年以降に新規参入した人の割合が最も多く、暗号資産市場への関心が高まっていることがうかがえます。
2023年~現在(聴取当時は2025年1月)において、メルカリのビットコイン取引サービスで取引を始めた人が最も多く、初心者向けのプラットフォームとしての影響力が示されました。
一方で、CoincheckやbitFlyer、楽天ウォレットの利用者も一定数存在し、市場全体の成長が見て取れます。
特に、SBI VCトレードは2023年~現在(聴取当時は2025年1月)における新規口座開設数が増加し、安定した成長を続けていることが確認されました。過去数年の動向を振り返ると、2019年から2020年にやや減少したものの、近年の施策が功を奏し、利用者が再び増加していることが分かります。
また、取引所選択の理由についても興味深いデータが得られました。メルカリのビットコイン取引サービスを利用する理由として、「アプリの手軽さ」や「ポイントの有効活用」が挙げられました。一方で、SBI VCトレードを選んだ人々は、「SBI証券との連携」や「株主優待の活用」といった、既存の投資環境との親和性を理由に選択している傾向が強く見られました。
投資家が取引を決める前に参考にする情報源とは?
暗号資産取引所の利用状況について、複数の取引所を併用している利用者が一定数存在することが明らかになりました。情報収集と実際の取引を異なるプラットフォームで行うケースも多くあります。
取引を開始する前に参考にした情報源については、楽天ウォレット利用者は「YouTubeでのレビューや解説動画」、SBI VCトレードやGMOコイン利用者は「取引所や販売所の公式サイト」、Coincheck利用者は「SNSの投稿や口コミ」を挙げる傾向がありました。このことから、取引所ごとに異なる情報チャネルが活用されていることが分かります。
初心者と上級者で異なる暗号資産取引所の選び方
暗号資産取引所の満足度で最も高い評価を得たのはGMOコインでした。
一方、CoincheckやbitFlyerといった大手取引所では、新規参入者が多いことから、期待と実際のサービスとのギャップが生じやすく、満足度がやや低めとなる傾向が見られました。特に初心者の利用が多いため、「思っていたのと違う」と感じるケースがあることが影響していると考えられます。
NPS®(ネットプロモータースコア)では、GMOコインが最も高く、Coincheckが最も低い結果となりました。GMOコインに対する肯定的な意見としては、「初心者からベテランまで安心して使えるサポート体制が整っている」「大手企業が運営しているため信頼感がある」といった声が多く挙げられました。特に、初めて暗号資産を扱う人々にとっては、知名度や安全性が重要な判断材料となっているようです。Coincheckについても、「操作がしやすい」「知名度がNo.1」といった肯定的な意見もありました。
全体として、初心者向けの取引所と上級者向けの取引所では、求められるサービスの内容が異なることが明らかになりました。
暗号資産の安定成長が取引継続の意欲を高める要因に?
今後の暗号資産の取引意向については、31.5%が「積極的に取引を増やしたい」と回答しました。また、41.2%が「現在と同じ頻度で取引を続けたい」としており、全体の7割が今後も取引を継続する意向を持っていることが分かりました。
一方で、取引を減らしたいとする回答者は3.3%にとどまり、完全に取引をやめるという意見は少数派でした。
次に、暗号資産取引所の乗り換え意向について、現在利用している取引所の変更を検討していないと回答した人は全体の63.6%に達し、多くのユーザーが慣れ親しんだ取引所を継続して利用する傾向が見られました。
特にSBI VCトレードの利用者は76.0%が取引所の変更を検討しておらず、投資経験のあるユーザーが安定した環境を求めていることがうかがえます。
一方で、一部のユーザーは取引所の変更を検討しており、具体的にはメルカリのビットコイン取引サービス利用者の16.1%が楽天ウォレットへの移行を検討、楽天ウォレット利用者の11.0%がメルカリのサービスを検討しているという結果が出ました。このように、利用者の属性や求めるサービスの違いによって、取引所間の移行が発生していることがうかがえます。
まとめ
2025年1月の最新調査をもとに、日本国内の暗号資産市場の動向を分析しました。
今後、暗号資産市場はさらなる成長が見込まれるものの、投資家への情報提供や取引所ごとの特徴を活かした施策が市場の発展に不可欠です。特に、新規ユーザーの獲得や取引所の選択においては、ユーザーの属性ごとに異なるアプローチが求められます。今後の市場の動向を注視しながら、より多くの投資家が安全かつ適切に暗号資産を活用できる環境整備が重要となるでしょう。
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