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コラム

2022年12月20日

ユーザー側から見る光回線サービスへの流入のカギ

目次

■ インターネット回線の利用について
■ 光回線サービスのシェアと乗り換え先の人気サービスは?
■ スマートフォンと光回線サービスの関わり
■ 光回線サービスへの流入余地はあるのか

 

インターネット回線の利用について

インターネットが当たり前になった現代、光回線や持ち運び可能なモバイルルーターなど、さまざまなインターネット回線があります。
たくさんの種類があるインターネット回線ですが、どの種類のインターネット回線利用が多いのでしょうか。

MMD研究所ではインターネット回線のうち、光回線に注目してサービスシェアや乗り換え・解約検討、スマートフォンのセット割引についてなど、利用実態を明らかにしました。
今回のコラムでは「光回線に関する利用実態調査」のデータを一部紹介しつつ、光回線事業者がどんなところに注力していけばいいか、新規契約や乗り換え状況についてお話ししていきます。

では、先ほどあげたインターネット回線の種類について早速見ていきましょう。

自宅用にメインで契約しているインターネット回線は「光回線」が2位の「CATV(ケーブルテレビ)回線」と大きく差をつけて1位となりました。それ以降は「ホームルーター」「モバイルルーター」と続きます。

光回線は電気信号を光に変えて伝達をするインターネット回線です。電波状況に左右されないため、高速・大容量通信が可能となっています。また、回線が収容されている局からの距離があっても電磁波の影響を受けないため、通信の安定さもあります。
これらから自宅のメイン利用としてトップにあがるのもうなずけますね。

逆に、ホームルーターやモバイルルーターはモバイル回線を無線でルーターに取り込みます。有線である光回線に比べ、無線の場合は建物や電波状況の影響に左右されやすいため、通信の安定さは劣ってしまいます。
とはいえ、ホームルーターはコンセントに差し込むだけですぐ利用できることや、モバイルルーターは持ち運びができることなど、光回線ではできないメリットがあるのも事実です。

次に、インターネット回線に繋げているデバイスを見ていきましょう。

「スマートフォン」「ノートPC」「タブレット」の順で自宅のWi-Fiに繋げているデバイルが多いことが分かりました。「スマートフォン」は87.1%、「ノートPC」は60.2%とこの2つだけ半数を超えた結果となっています。

 

光回線サービスのシェアと乗り換え先の人気サービスは?

さて、光回線サービスではどこが人気なのでしょうか。
サービスシェアと乗り換え先として人気のサービスも合わせて見ていきましょう。

まず、サービスシェアでは「ドコモ光」が1位となりました。次に「SoftBank 光」「フレッツ光」「auひかり」と続きます。大手通信事業者が提供するサービスが上位を占めていますね。

次に、乗り換え検討していると回答した約2割の光回線ユーザーの乗り換え先順位を見てみましょう。
シェアで5位だった「NURO 光」が乗り換え先のインターネット回線サービスではトップとなりました。次点は僅差ですが、「ドコモ光」「楽天ひかり」と大手の通信サービスが並びます。

乗り換え検討先として人気の「NURO 光」ですが、このとおりに乗り換えをして利用者が増えれば、サービスシェアの順位が多少変動するかもしれませんね。

 

スマートフォンと光回線サービスの関わり

先ほど、光回線のサービスシェアや乗り換え先の上位は通信キャリアのサービスが並んでいました。利用しているスマートフォンの通信サービスによっては、光回線サービスとスマートフォンのセット割引を受けられますが、それをどれほどの人が認知しているのでしょうか。

まず、スマートフォンのセット割引を受けているかどうかについて見ていきましょう。
光回線を利用している人のうち、55.0%がスマートフォンのセット割引を受けており、35.9%がスマートフォンのセット割引を受けていないという結果になりました。

次に、スマートフォンのセット割引を受けていない人に契約している光回線サービスにスマートフォンのセット割引があることを知っているかどうか見ていきましょう。

企業もスマートフォンのセット割についてPRしていることが多いので、ほとんどの人が認知していると想定していましたが、意外にもスマートフォンのセット割引があることを知らなかった人が48.0%いる結果となりました。

ここまで、スマートフォンのセット割引を受けているかどうか、受けていない人はスマートフォンのセット割引があることを知っているかどうかを見てきました。ここからは、スマートフォンのセット割引を受けているか、受けていないかで消費者の意識に差があるのかを見ていきましょう。

実は、今回の調査でこの差がしっかりと表れているのです。

スマートフォンのセット割引を受けている人・受けていない人の利用している光回線サービスの満足度の結果です。セット割引を受けているユーザーの方が、満足度が高い傾向にあります。

では、満足していない人は何に満足できていないのでしょうか?
満足していないと回答した人の不満点のトップは「月々の通信料金が高い」という結果になりました。

スマートフォンのセット割を受けることで大きな価格差が生まれるわけではないですが、受けることによる満足度に多少変化があった可能性があります。

 

光回線サービスへの流入余地はあるのか

前段で、料金についての不満点の結果がありましたが、実際の月額料金と契約したいと思える月額料金はそれぞれいくらぐらいなのでしょうか。

契約している光回線サービスの月額料金の平均は5,029円で、契約したいと思える月額料金は平均3,777円と1,252円差となりました。

いかがだったでしょうか。
光回線は速度が速いことや安定していることが大前提として求められていますが、光回線を契約した理由で「セット割などで料金がお得になるから」がトップになるなど、料金も重視ポイントとなります。

スマートフォンのセット割引をまだ認知していない顧客や受けていない顧客がまだまだいることが今回の調査で明らかになりました。既存顧客の満足度をさらに高めることや、新規契約者には自社にスマートフォンのセット割引があることを積極的にアピールしていく必要があります。

もちろん、料金がすべてというわけではないので料金のみに注力しないよう塩梅は必要ですが、流入に対するカギのひとつとしてスマートフォンのセット割引周りに力を入れてもいいかもしれません。

 

MMD研究所では今後も通信に関して調査を行う予定です。ぜひ今後のリリースも楽しみにお待ちください。
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