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コラム

2022年12月26日

定点調査のポイント ~リサーチ事例の紹介~

目次

■ はじめに
■ 定点調査とは
■ 定点調査のポイント1 ~事例を基に定点調査で分かること~
■ 定点調査のポイント2 ~注意点~
■ おわりに

 

はじめに

MMDLaboでは、定期的にユーザーの声を聴取したり、認知率・利用率の推移を把握したりすることができる「定点調査」を行っております。
今回は、定点調査でどんなことが分かるのか、実施するまでにどのようなことに気を付けるべきかについてご紹介します。

※今回は定点調査の事例とMMDLaboの会社概要についてまとめた資料をPDFでご用意しています。

調査概要や調査項目が分かる資料を
PDFでご用意しています。
下記よりダウンロードください。

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定点調査とは

まず、定点調査とは、同じ調査の内容を一定の間隔で繰り返す調査の方法です。
商材などの調査対象にもよりますが、MMDLaboで実施の場合、3ヶ月、半年、1年ごとなど一定の間隔で実施することが多いです。

定点調査の他には、調査が1回で完結されるように設計されている調査があり、そのような調査を「アドホック調査(単発調査)」と言います。アンケート調査を行う際、最も多く実施されている調査です。
定点調査で得た仮説をさらに深堀するためにアドホック調査(単発調査)と組み合わせて調査実施することも可能です。

定点調査の中でも、対象者をどのようにするかで下記の2つのパターンに分けられます。

  • パネル調査:毎回同じ対象者に対して行う
  • トラッキング調査:毎回異なる対象者に対して行う

 

定点調査のポイント1 ~事例を基に定点調査で分かること~

定点調査の大きな特徴としては「時間軸でデータによる推移の把握ができる」という点です。
そのため、以下のような時間を軸として変化を見たい場合は、定点調査を行うことをお勧めします。

  • 認知率の変化を定期的に見たい
  • サービスの満足度の推移を見たい
  • 施策前後の評価の変化を見たい ・・・など

今回は事例紹介として、2014年よりMMD研究所で発表している「通信サービスの利用動向調査」をご紹介します。
この定点調査では、下図のグラフで表しているようなMVNO(格安SIM)利用率の推移などを発表しています。

下図のグラフより、下図のグラフより読み取れることとして、2019年までは利用率は増加し続けているが、2020年11月には利用率が減少しています。この辺りで起こった事象を考えると、2020年3月に楽天モバイルのMNO参入や、大手3キャリアが格安プランを発表したことによる影響があると考えられます。

このように、長期的に調査を行うことで動向とそのタイミングで起こった事象など含めた考察ができます。

また、認知度や利用率などを定点調査することで、その変動から施策の評価などを行う事例もあります。

下図のグラフのようにサービスAの認知率を定点調査で聴取していった時に、2022年3月に認知率が大幅に増加しているのが分かります。サービスAは2021年12月にテレビCMを開始していた場合、認知率増加にテレビCMの効果が大きかったのではないかと考察することができます。

さらに、認知のきっかけなども併せて聴取することで、テレビCMの効果を検証し考察を深めることができます。


※図の数値はダミーデータ

また、自社の認知率だけではその認知が低いのか、高いのか分からないという時に、業界内での立ち位置を把握したいという場合には、競合他社と比較する定点調査をご提案しています。

下図のグラフのように競合他社との認知率を比較することで、自社サービスが競合他社よりも認知率が向上しているのか、低下しているのか把握することが可能です。

※図の数値はダミーデータ

 

定点調査のポイント2 ~注意点~

定点調査を実施するにあたり、特に注意すべき点について今回は3点ご紹介します。

1. 実施時期
定点調査では、商品やサービスによっては季節なども考慮して、どのくらいの間隔で調査を実施するのか実施時期を決める必要があります。

例えば、1年に1回調査を実施する場合、1回目は8月、2回目は12月に実施したとします。その際に生じた調査結果の変化した要因が季節によるものなのか、時系列での変化による差なのかが、不明確になってしまうため、なるべく同じ時期に定点調査は実施することを推奨しています。

2. 設問設計
設問設計では、1回目、2回目で設問が変わってしまうと、調査結果が変化した要因が設問の変化か、時系列での変化による差なのかが不明慮になってしまいます。

そのため、定点調査で正確に変化を見るためには設問設計を変えずに聴取する必要があるため、1回目での調査設計がとても重要になります。
ですが、定点調査でも施策の変化などで、その時期ごとにユーザーに聞きたいことが変わる場合があります。その場合は、設問を追加したり、変更したりすることもあります。

設問の聞き方によって結果に影響を及ぼす例については、「適切な設問設計とは」のコラムでもお伝えしています。

3. 対象者
どのような定点調査をしたいかでパネル調査(同じ対象者)、トラッキング調査(異なる対象者)のどちらで実施するか検討する必要があります。

パネル調査では、同じ対象者の認知や利用などの動きを追うことが可能です。例えば、過去調査で購入検討していた人のうち、最新調査で購入した人がどれくらいいるのかといった変化を見ることが可能です。
ただし、同じ対象者に聴取をするため、調査回数を重ねるごとに回収できるサンプル数が減少してしまいます。サンプルが減少することを考慮した調査設計が必要になります。

トラッキング調査では、調査ごとに対象者が異なるため、認知率や利用率を時系列で把握することに適していますが、同じ対象者に聴取していないため過去調査では「認知していない」人が最新調査で「認知している」に変わったかといった変化を見ることができません。

このように、パネル、トラッキング調査ではそれぞれメリット・デメリットがあるため、注意しながら対象者を決める必要があります。

 

おわりに

今回は定点調査について、ご紹介しました。
定点調査では、時系列での変化を見るため、実施時期、設問設計、対象者などに注意しながら調査設計していく必要があります。

調査の目的やどのようなことをその調査によって知りたいのかにより、影響の出方も変わってくるため、お客様のご要望に応じてMMDLaboでは最適な調査をご提案しています。

MMDLaboで実際にお客様のご相談に合わせた定点調査の実施事例の資料もございます。「データをダウンロードする」ボタンから、ぜひご覧ください。

※今回は定点調査の事例とMMDLaboの会社概要についてまとめた資料をPDFでご用意しています。

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調査を行うに至った背景やお悩みをヒアリングし、お客様の課題やご予算に沿った調査手法、内容をご提案させていただきます。
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