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コラム

2022年1月11日

医療機関のデジタル化の現状と消費者の動向

目次

■ 現状の医療機関のデジタル化状況
■ 消費者のキャッシュレス決済に対する動向と意向
■ マイナンバーカードの健康保険証利用についての意識
■ 通信キャリアによるヘルスケア事業
■ 医療機関のデジタル化を目指すには

 

現状の医療機関のデジタル化状況

新型コロナウイルスが蔓延する前から厚生労働省では医療分野の情報化の現状として推移データが発表されています。電子カルテでは、一般病院で平成20年(2008年)には14.2%だったものが平成29年(2017年)に46.7%と32.5ポイントも増加していました。現在では電子カルテのみならず、オンライン診療や医療関連のアプリなど、さまざまなデジタル化が進んでいます。

2021年10月20日よりオンライン資格確認システムの本格運用が開始され、マイナンバーカードに対応した機器を導入している医療機関にてマイナンバーカードの保険証利用ができるようになりました。マイナンバーカードの保険証利用にはマイナポータルにて事前登録する必要がありますが、それを済ませれば今まで利用してきた保険証と同じように利用することができます。他にも、運転免許証との一体化も進めているため、将来マイナンバーカードがさまざまな用途で使えるようになっていくようです。

また、2021年12月初旬にはマイナンバーカードの普及率が4割に達し、2022年度末までにマイナンバーカードをほぼ全ての国民に行き渡るよう目指すため、ポイント付与で取得推進を図る模様です。

MMD研究所では2021年11月16日~11月25日の期間で「医療機関のデジタル化に関する調査」を実施いたしました。その結果を一部ご紹介しながら医療機関のデジタル化の現状を見ていきます。

 

消費者のキャッシュレス決済に対する動向と意向

医療機関のデジタル化が進んでいる中、医療機関での支払いはどうでしょうか?大きい病院ではキャッシュレスに対応しているところも多いと思いますが、中小病院では現金のみ、もしくは対応していても大きい額から対応などあるかと思います。

先日発表した調査では普段利用している医療機関への支払い方法で「現金」が堂々の1位でした。2位の「クレジットカード・デビットカード」とは2倍以上差をつけています。

また、医療機関や調剤薬局への支払い方法でキャッシュレス決済に対応して欲しいと回答した人は77.5%となり、キャッシュレス決済に対応して欲しいと思う一方で現金払いの多さが分かる結果となりました。

 

マイナンバーカードの保険証利用についての意識

まだ開始されたばかりですが、マイナンバーカードが保険証として利用できることをどれぐらい認知されているのでしょうか?先日発表した調査では「現在保険証として利用している」が5.4%、「過去に保険証として利用していた(現在は保険証として利用していない)」が2.1%とあわせて利用経験は7.6%となりました。マイナンバーカードの保険証利用の認知は8割を超えています。

2021年11月下旬時点でマイナンバーカードを保険証として利用できる医療機関は1割程度とまだまだ発展途上ですが、意外にも利用経験の割合は出ていると感じます。

次に、性年代ごとにマイナンバーカードの保険証利用の認知と利用経験を見てみましょう。認知は年齢が上がるにつれ高く、利用経験は年齢が下がるにつれ高くなりました。特に男女ともに20代~30代は利用経験1割以上と、40代以降と約2倍以上も差をつけていることがわかります。

現状はまだまだ利用可能な場所も利用者も少ない状況ですが、政府の目標である2022年度末でほぼ全国民へのカード配布が終わった頃には、利用場所も利用者ももっと増えているのではないでしょうか。

 

通信キャリアによるヘルスケア事業

さまざまなサービスを展開している各通信キャリアでもヘルスケアに関する事業は開始されています。それぞれのキャリアが行うヘルスケア事業を見てみましょう。

・NTT
NTTドコモでは「dヘルスケア」が提供されています。dアカウントと連携させ、歩いた歩数がdポイントになる一石二鳥のサービスで、実名の医師にチャットで24時間相談できるものになっています。また、法人向けの「dヘルスケア for Biz」が2020年4月13日より開始されています。
さらに、2021年12月7日から株式会社メドレーとともにオンライン診療・服薬指導アプリ「CLINICS」の共同運営を開始しました。「CLINICS」は2016年2月より提供開始されたサービスで、通院サポートのアプリとして利用されています。現状はオンラインの通院サポートのみですが、今後は対面時のサポートを展開していくようです。

・KDDI
KDDIでは「auウェルネス」が提供され、オンラインエクササイズやスポーツジム体験、オンライン診療・服薬指導など豊富な機能を取り揃えています。このオンライン診療・服薬指導の機能は、2021年5月より株式会社MICINとともに提供開始している「curon for KDDI」と合わせて利用することで、受診から服薬指導までをスマートフォンで完結させることができる機能になります。
また、2021年10月18日には豊島区・板橋区・江戸川区とともに「ポケットヘルスケア」の利用効果や健康増進への影響など、健康・衣料のDX推進を目指した事業も開始しています。

・ソフトバンク
ソフトバンクでは、2020年7月29日よりグループ会社のヘルスケアテクノロジーズ株式会社から「HELPO」が提供されています。チャットで健康医療相談や日本全国の病院検索、ヘルスケア商品に特化したECなどの機能があります。ヘルスケア商品に特化したECでは対象地区に在住している人に限りますが最短3時間で手元に届くようです。また、2021年6月には株式会社MICINとともに「HELPO」にてオンライン診療サービスの提供開始しています。

・楽天
楽天からは女性向けのヘルスケアサービスが提供されており、楽天生命が提供している「楽天キレイドナビ」では生理日の記録や排卵日予測、基礎体温管理など女性向けの機能があります。さらに、株式会社アナムネが提供する「オンライン医療相談」と「オンライン診療プラットフォーム」との連携を2021年4月28日より開始し、女性医師が24時間365日予約なしで相談を受け付けてくれます。

通常の医療機関に比べ、通信キャリアは元々デジタル領域であることもあげられますが、どのキャリアも医療DX推進に積極的で今後の動きが楽しみになります。

 

医療機関のデジタル化を目指すには

キャッシュレス決済にマイナンバーカードと見てきましたが、医療機関のデジタル化はこれからも進化の余地が十分にあります。医療機関に対して改善して欲しいと思うことで「予約をネット上で取れるようにして欲しい」や「電話やネットで24時間予約に対応できるようにして欲しい」が上位にあがり、予約システムが普及して欲しいことが分かります。また、調剤薬局を選ぶ基準として「キャッシュレスに対応している」や「お薬手帳アプリに対応している」が上位にあり、デジタル化が進んでいる調剤薬局へ足を運ぶ人が多いことも分かります。その一方で、お薬手帳アプリに個人情報を載せることに8割以上が不安を感じているため、ただデジタル化が進んでいけば良いわけではなく、デジタル化をすることで起こりうる不安を合わせて解消する必要があるかと思います。また、現状では通信キャリアによる医療のデジタル化が進んでいますが、同様に医療機関のデジタル化が急務だと考えられます。医療機関も積極的にDX推進していけることが重要であると考えます。

MMD研究所では今後も医療のデジタル化に関して調査を行う予定です。ぜひ今後のリリースも楽しみにお待ちください。

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