インタビュー
2023年5月10日
【クライアントインタビュー】終活に対する社会課題解決のためにBtoBtoCへ 調査・セミナーをともに実施して企業の悩みを実感
NTTファイナンスとは調査やセミナーなど、複数のお取り組みをさせていただいております。
2022年には親子の終活についての調査を実施し、それを活用したセミナーをオフライン・オンラインともに共同で実施いたしました。
今回はNTTファイナンスが提供する「楽クラライフノート」をご担当の、ビリング事業本部 事業企画部 企画総括部門 楽クラライフノートチーム 担当部長 岡部様と、同じく 担当課長 下里様に、MMDLaboとのお取り組みについてお伺いしてきました。(以下、敬称略)
※2023年4月にお伺いしてきました。
目次
■ NTTファイナンスについて
■ 楽クラライフノートの課題
■ MMDLaboとの取り組み内容と結果
■ お取り組みを経てのMMDLaboについて
NTTファイナンスについて
NTTファイナンスが提供するサービスについて教えてください。
岡部:弊社はNTTの子会社で、私どもが所属しているビリング事業本部では主にNTT東・西・コミュニケーションズ・ドコモ各社の請求書を発行したり、NTTグループのための資金調達を行っています。その中で新たなチャレンジとして、2021年の8月から「楽クラライフノート」というサービスを一般向けにリリースしました。
楽クラライフノートのサービス内容について教えてください。
岡部:楽クラライフノートは、いわゆるエンディングノートを紙ではなく、デジタル化・クラウド化した上で、お金の管理機能を強化したものです。
終活をしっかり行うには本人だけでなく家族も巻き込んで意識を合わせる必要があります。親子で同じことに対して違う立場で悩んでいるものの、お互い悩みを解決するための会話ができているわけではないことがさまざまな統計や弊社独自の調査により明確となったため、そこをサポートするサービスとして作りました。
弊社が新サービスのコンセプトを検討したとき、ちょうど「老後二千万円問題」が世間を賑わせていました。
終活は「元気なうちから家族と一緒に行うのが大事」「しかもその時にとりわけお金の管理が大事」であり、そういうところをサポートするものを開発すれば、社会課題として世間を賑わせているようなものの解決に、我々が貢献できることなのではないかと考えてできたのが楽クラライフノートです。
楽クラライフノートの課題
楽クラライフノートの運営をしていく中で感じていた課題について教えてください。
岡部:終活は、本人もやらなきゃいけないなと思ってはいるが、なかなかやりたがらないものです。「自分はまだ元気だ」「まだ早い」と。そうやっているうちに、急に認知症が進行するとか、不幸にも事故にあってしまうということが起きてしまうことがあります。確かに「早めに終活をして備えておくべき」とは思っていても、なかなか始めにくいようです。潜在需要と顕在需要という表現がありますが、終活は潜在的な需要としてとても大きいと思っており、このような状況であるため、「課金して継続的に利用しよう」というマインドになるかと言うとなかなか厳しいものがあります。
BtoCサービスにはこのような難しさがあるため、以前より並行してBtoBtoCでの展開に取り組んでいます。例えば、シニア向けビジネスを展開する企業様の商材の付加サービスとして楽クラライフノートをご利用いただくなどして、その企業様のお客様に対して終活の問題を解決することに貢献するということです。
下里:このサービスの根幹である「シニアは早いうちから終活をやったほうが良い」というところを、シニア向けビジネスを展開する企業の皆様とともに、世の中に浸透させていけたらよいと思っています。
岡部:「やっとけばよかった(後悔)」よりも「やっといてよかった(安心)」の状態を作りたいです。この日本で「困った」を減らしたいと思っています。
MMDLaboとの取り組み内容と結果
MMDLaboに依頼したきっかけを教えてください。
岡部:2021年の11月から12月にかけてアンケート調査を実施しましたが、毎年実施して定点観測的に変化を見たいというのがまずありました。さらにはBtoBへの展開に繋げられるような調査ができればよりよいと思い、過去よりモバイルやキャッシュレス決済の調査レポートでお世話になっていたMMDLaboさんに依頼しました。
MMDLaboと行った調査・セミナーについて感想を教えてください。
岡部:MMDLaboさんはプロとしてしっかりやってくださりました。セミナーの事前準備も当日の対応もよかったなと思います。調査に関しても、終活での親世代・子世代それぞれどんな困り事、関心事があるのかをしっかりと統計データで取れていたので、セミナーで提供できる価値の度合は大きかったなと思います。
※セミナーの資料はこちらからDLできます
調査概要や調査項目が分かる資料を
PDFでご用意しています。
下記よりダウンロードください。
セミナーでは質疑をたくさんいただき、当初予定していたよりも長く、全体の時間が伸びるくらい活発な場となりました。参加された皆様もさまざまなお悩みがあり、関心が高いという実感を受けました。
大事な分野で、可能性の大きい分野だとは思ってはいるのですが、なかなか需要が強い割にはお金払ってまで…という風にはなっておらず、皆様悩んでいるんだなとあらためて感じました。さまざまな人や事業者が早めの終活の重要性を発信し、それが世の中に広まり、当たり前のことになっていくことを願います。
セミナーの成果はいかがでしたか?
岡部:セミナーに参加いただいた企業様とは名刺交換もさせていただき、ご興味を示された方や我々の方からもお話ししたいという方に連絡して、かなりの数の企業様とお話しすることができました。今でもそのうちの何社かとは継続的にお話もさせていただいています。終活に関心のある企業様と、会話・検討という風につなげられたのは成果でしたね。
MMDLaboと一緒に行ったことによる新たな発見はありますか?
岡部:弊社だけでは楽クラライフノートで培った経験や情報に限定されますが、MMDLaboさんとセミナーをすると、今回一緒に調査したデータ、さらにはMMDLaboさんが今まで保有されているデータの蓄積などがあるのは大きいと感じました。MMDLaboさんと一緒に行ったセミナーなどで各企業様それぞれ固有のお困り事、心事がある中で、それに合わせて適切な実際の消費者のデータをご提供できるのは大きな価値だと思いました。
現在、課題に感じていることを教えてください。
岡部:BtoCとしては、ある程度機能も充実してきたし、社会的認知も上がってきましたが、終活に関心のある企業の皆様にスムーズにご利用いただくためには、企業様の既存アプリやwebベースのものと楽クラライフノートを繋ぐような仕組みを作って、連携をしやすくすることが課題の一つかなと思っています。
下里:シニア顧客をどうにかしなきゃとは思うけれども、企業様の売上貢献として少し遠い施策のため、お金を出していくのはやっぱり企業様からすると難しいですよね。あらたな施策を成し遂げる・スタートさせる取り組みはハードルが高いですけど、企業様とお互いに課題を解決していくことも含めてやっているところです。
今後の楽クラライフノートの取り組みについて教えてください。
岡部:課題はいろいろありますが、楽クラライフノートを使っていただけるようになることが日本の社会課題の解決の一助になるとの思いを込めて、我々ができることをやっていきたいと思います。
企業の皆様との提携はまさにそのひとつであり、思いを同じくする方々と一緒に今までにないものを作り出し、未来を開いていければと思っています。
下里:日本全体として10年後になるかもしれませんが、自分の事は自分で死ぬ前に整理しておく、早い段階から準備していく、というマインドが国民に植づくところまで、最終的にいけたらいいなと思います。
お取り組みを経てのMMDLaboについて
MMDLaboの印象を教えてください。
岡部:フットワーク軽く、クライアントのためにクライアントの耳の痛いことも言ってくださる、そういう意味では非常に信頼のおけるパートナーだと思います。
日本のモバイル市場や世界のモバイル市場を見るというのはグループ会社でもやっていますが、MMDLaboさんはキャリアとの目線とは微妙に違うので、より現場・市場に近いなとも思います。
MMDLaboに継続してご依頼いただけている理由を教えてください。
岡部:吉本社長も含めてどなたもフットワークが軽いですし、さまざまなアイディアや案があるなかで、重要なことや効果的なことと、そうではないこととの区別や優先順位付けについて、互いに本音で対等に議論ができます。これはとても大事なことで、パートナーという感じでお付き合いできるところが大きいですね。
今後MMDLaboと取り組みたいことを教えてください。
岡部:リアルな需要喚起に繋がるような調査ができたら良いと思います。それは「調査」の域を超えるものかもしれませんが(笑)問題の核心と、それが社会全体の課題の解決策みたいになるぐらいの何かができて、MMDLaboさんとNTTファイナンスで実施した調査について国や有識者も「これはまさに核心だ!」と思って使ってもらえるようなことができたらよいなと思います。
下里:終活とかシニアの分野ももうちょっと盛り上がってきて、イベントをやって…セカンドライフを考えるという、この分野でのリーディングカンパニー的になれたら嬉しいので、イベントとかやりたいですね。
岡部:ユーザーに直接のヒアリングもMMDLaboさんにしていただけると、「このプロダクトは本音ではどうなの?」というのが分かるかもしれませんね。
【編集後記】
調査だけでなく、調査結果を活用したセミナーを行うことで、同じ課題を抱えている多くの企業様に集まっていただきました。NTTファイナンスとその企業様が、データを基にその課題に対して議論できる場をご提供できたことを嬉しく思います。
調査やセミナー、それ以外のイベントなど、今後もNTTファイナンスと一緒に社会問題の解決に向けて動いていけたらと思います。
日本の「終活」の必要さを高めるにはまだまだ空気醸成が必要であることは確かです。「終活」の認知をより高めていくためには多くの企業の力が必要になってきます。ご興味のある企業様はぜひ弊社のお問い合わせよりお気軽にご連絡ください。
また、弊社では皆様のご状況に応じて調査やコンテンツ制作などの解決手法をご提案しております。どんなお悩みでも構いませんので、何か解決したい課題や調査に関してご相談、ご依頼がございましたらお気軽に下記お問い合わせフォームよりご連絡ください。
弊社の「調査」について知りたい方は下記ページをご覧ください。
セミナーについて紹介しているページはございませんので、気になる方はぜひお問い合わせよりご連絡ください。参考として、先日行った弊社主催のイベント「MVNO勉強会」のレポートコラムをご覧ください。
MMDLabo株式会社
通信・端末・決済などモバイルやIT分野のマーケティングレポートでは国内最大規模の調査機関です。
2006年9月より運営しているMMD研究所では、700件以上の調査データを通じてモバイルユーザーの消費行動や実態を発信しています。
モバイルインターネットで生まれる新しい体験を調査・分析し、価値ある情報を発信することでモバイルインターネット業界の発展に貢献します。
MMD研究所(編集部員)