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コロナ禍での総合ECサイト利用動向から見る、EC市場成長の可能性

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日付:2020/12/25

執筆者:MMD研究所

コロナ禍での総合ECサイト利用動向から見る、EC市場成長の可能性

コロナ禍での総合ECサイト利用動向から見る、EC市場成長の可能性

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【目次】


■ コロナ禍で総合ECサイトの利用は浸透したか?―流行前後の利用状況

■ 新規ユーザーが挙げた、利用上位3サイト別の利用開始理由

■ まとめ―今後も伸びしろのあるEC市場、5G普及後の可能性






■ コロナ禍で総合ECサイトの利用は浸透したか?―流行前後の利用状況



コロナ禍での巣ごもり需要により伸びたEC市場は、今後デジタルシフトの動きとともに、堅調に拡大していくことが予想されます。

振り返ると、90年代後半から2000年インターネットの普及でECサイトが続々と誕生し、2010年スマートフォンの普及とともに、EC利用者は増えていきました。経済産業省の調査結果を見ると2019年のEC市場規模(消費者向けBtoCのみ)は19兆3,609億円に達しており、2016年から継続して5~6%以上の市場拡大を果たしています。

ここ数年好調のEC市場ですが、2020年コロナ禍でさらに利用者を増やしたことは、今年5月に行った「2020年5月新型コロナウイルスにおけるEC利用動向調査」からもわかっています。

今回ご紹介する「コロナ禍での総合ECサイトに関する調査」は2020年10月31日~11月2日の期間で実施しました。コロナ禍での利用者実態をさらに詳しく見ていきましょう。

まず、コロナ禍での期間別利用状況を見ていきます。
総合ECサイトを利用したことがある全国の15~69歳男女9,010人を対象に、コロナウイルス流行前後の総合ECサイト利用頻度を聞いたところ、2020年3月以前は「2ヶ月に1回未満」が最も多く27.0%でしたが、2020年4月~7月は「2ヶ月に1回未満」の利用者はおらず、「月1回」が26%台で最多となりました。

下図を見比べても、緊急事態宣言の発令~施行中も含む4~7月の期間、たしかに巣ごもり需要は増えていたといえます。厚生労働省が推進する、コロナウイルス感染防止の対策を日常生活に取り入れた「新しい生活様式」が定着し始めた8~10月も「月1回」が26.9%と最多で、「利用していない」は10%以下にとどまりました。ECサイト利用の日常化が進んでいることを示す結果となったのではないでしょうか。



次に、2020年3月以前と2020年8月~10月の期間を抜粋し、総合ECサイト利用頻度として最も多かった項目を性年代別で見ると、女性全世代と男性10代・60代は利用頻度が増えたことがわかりました。女性は「2ヶ月に1回未満」だったのが「月1回」、「月2~3回」と増えており、定期的に総合ECサイトを利用するようになったことが窺えます。

とくに、60代は男性が「月1回」から「月2~3回」、女性が「2ヶ月に1回未満」から「月2~3回」へと増加しており、今回の結果でもシニア世代がPCやスマートフォンから総合ECサイトを利用する頻度が高くなったことがわかります。

※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。


続いて、総合ECサイト利用者全体でどれほど需要拡大したのか、その理由も見ていきます。
総合ECサイトを利用したことがある全国の15~69歳男女9,010人に、コロナウイルス流行前後での総合ECサイト利用状況を聞いたところ、「2020年4月以降、利用頻度が増えた」利用者は21.3%、「2020年4月以降、利用開始した」利用者は4.8%となり、コロナ禍での総合ECサイト需要拡大は26.1%であることがわかりました。

2020年4月以降、総合ECサイトの利用を開始した・利用頻度が増えた2,358人に、利用開始した・利用頻度が増えた理由を聞いたところ、コロナ禍に直結する理由は5位の「外出し、コロナウイルスに感染するのが不安だから」のみとなりました。1位の「自宅まで商品を届けてもらえるから」、2位の「外出せずに重いものや大きいものが購入できるから」、3位の「時間を気にせずに買い物ができるから」など上位に挙がった理由はコロナ禍が解消された後でも共通する利点といえます。

外出自粛等で不便が強いられるコロナ禍ですが、一方で、総合ECサイトを今まで利用してこなかった人が、その便利さに気づき日常使いをするようになったケースもあるのではないでしょうか。

また、1位、2位の利点はシニア世代にも適する利点であり、今回の調査結果でも事実として60代男女の総合ECサイトの利用頻度は高くなっています。シニア世代のニーズに応えられる見込みのあるEC市場拡大はアフターコロナも続くと考えられます。




■ 新規ユーザーが挙げた、利用上位3サイト別の利用開始理由



日本でEC市場拡大をけん引する担い手、総合ECサイトの流通総額上位3サイトを見ていきましょう。
2019年、国内でのECの売上高はAmazonが1兆7,290億円、楽天市場(トラベル等含む)が3兆8,595億円、Yahoo!ショッピングが8,519億円となりました。(※)

これら利用上位の総合ECサイトがもつ強みは、コロナ禍で利用開始したユーザーが挙げた理由と共通するところもあるのではないでしょうか。

2020年4月以降に総合ECサイトを利用開始した435人に、総合ECサイトを利用開始した理由を聞いたところ(複数回答可、「特に理由はない」除く)、上位3サイトでは、Amazon利用者(n=226)が「品揃えが豊富だから」が最も多く36.3%、次いで「商品が探しやすいから」が27.4%、「商品が届くまでの期間が短いから」が25.7%となりました。楽天市場利用者(n=187)は「ポイントが貯まりやすいから」が最も多く40.1%、次いで「ポイントが使いやすいから」が36.9%、「品揃えが豊富だから」が35.8%となり、Yahoo!ショッピング利用者(n=148)は「品揃えが豊富だから」が最も多く29.7%、次いで「ポイントが使いやすいから」が27.7%、「ポイントが貯まりやすいから」が25.0%であることがわかりました。

Amazonはフルフィルメントセンター(入庫から配送まで行う)による独自の物流網を構築していることが優位となっているように見えます。とくに、商品が届くまでの期間が短いというメリットは他のサイトはランクインしていない強みです。
また、中古品を出品するマーケットプレイスまで含めると、品揃えは他サイトよりも豊富と思うユーザーも多いのではないでしょうか。

楽天市場は、ポイント関連の強みが1位と2位を占めています。当サイトのポイント還元率は基本的には1%ですが、楽天トラベル、楽天銀行、楽天カードなど、グループ会社内のサービスで使用できる共通ポイント制度により還元率を高めやすくなります。また、楽天Edyでの支払いも還元でき、楽天経済圏によって優位となったといえるでしょう。

Yahoo!ショッピングは、テナント型ECモールであることは楽天市場と同様ですが、異なるのは「品揃えが豊富だから」が1位の点でした。当サイトは2013年に出店料と月額利用料を無料化したことで、2019年には87万店舗を超えました。上位3サイトのなかでは圧倒的に出店店舗数が多いことが優位となったと考えられます。2・3位のポイントに関する強みに関しては、ソフトバンクユーザーやPayPayユーザーの還元率が有利となることが理由なのではないかと考えられます。

※画像をクリックすると拡大画像が表示されます。



■ まとめ―今後も伸びしろのあるEC市場、5G普及後の可能性



今回結果からもコロナ禍によりEC需要は上がったことがわかりました。外出自粛により、今まで総合ECサイトユーザーでなかった人も、便利さに気づき、今後利用が定着していく可能性も見えます。また、総合ECサイトの利点はアフターコロナでも有益な点が多くあります。なかでも「自宅まで商品を届けてもらえる」、「外出せずに重いものや大きいものが購入できる」、「時間を気にせずに買い物ができる」などのメリットは、買い物に行きたくても行けない人や、買い物を面倒くさいと思う人の生活にも調和し、総合ECサイトがますます浸透していくことを促すと考えられ、シニアがデジタルシフトした際にも強みとなるでしょう。

コロナ禍で利用を開始した新規ユーザーの総合ECサイトの開始理由からも利用上位3サイトの特徴が表れました。ただ、将来は、各ECサイトが導入する新たなサービス次第でシェアも変わってくるのではないかと思います。

例えば、今後5Gが普及しライブコマースが広がった際には、企業がインフルエンサーなどを起用し、エンターテインメント要素を含ませて商品を紹介したり、配信者と視聴者がコミュニケーションを取りながら商品を販売することが可能になります。すでに、「Rakuten LIVE」や「Yahoo!ショッピング LIVE」などのサービスはあります。一方、自社ECサイトはD2C(自前で企画・製造した商品を、自社EC サイトを通じて直接消費者に販売する仕組み)を実践することで消費者との直接対話が可能になります。これらの新サービスにより、ユーザーがECサイトを選ぶ視点も徐々に変わっていき、各ECサイトがもつ強みにも変化が表れてくるのではないでしょうか。新たな販売形態でECサイトの可能性はさらに広がることでしょう。

MMD研究所ではこれからも、ECに関する調査データを引き続き発表していきます。
調査データへのお問い合わせなどございましたら、以下の連絡先までお気軽にご連絡くださいませ。


(※)【2019年EC流通総額ランキング】国内16・海外20のECモール・カート・アプリの流通総額から見る市場トレンド.「eコマースコンバージョンラボ」eccLab

※本調査レポートは小数点以下任意の桁を四捨五入して表記しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。
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MMD研究所(編集部員)

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