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コラム

2016年1月13日

スマートフォン端末満足度に見るマーケティングの打ち手のヒント

昨年12月、MMD研究所では2015年を総括する『2015年度版:スマートフォン利用者実態調査』を発表しました。今回はその中のスマートフォン端末の満足度を使って、マーケティングのヒントを考えてみたいと思います。

~iPhoneユーザーの不満点とは~


図1は、今回の調査でiPhoneを使っているユーザーの満足度をグラフに表したものになります。パーセンテージは、それぞれの項目で「満足」もしくは「やや満足」と回答した割合を表しています。

一目瞭然ですが、「バッテリーの持ち」「端末価格」については、満足度が非常に低く、「端末のブランド」を筆頭に他の項目については、いずれも満足という回答が多い事がわかります。このグラフだけを見ると、満足度の低い2つの項目を改善することが、最重要課題のように見えますが、本当に「バッテリーの持ち」と「端末価格」はまず手を打つべき最重要課題なのでしょうか。

~満足度を高める次の一手とは~


では、図2のグラフを見てみましょう。こちらのグラフは、各項目の満足度と総合的な満足度の相関関係を表したポートフォリオです。縦軸は、それぞれの項目の「満足」「やや満足」の割合をとり、上にあがればあがるほど、その項目は満足度が高くなります。

一方横軸は各項目と総合満足度の相関係数をとったもので、右に行けば行くほど総合満足度に与える影響力の強い、いわば「ユーザーの満足度に直結するポイント」になります。
※尚、青い十字はそれぞれの項目の平均の値となっています。

A:ユーザーの総合満足度への影響度が強く、かつユーザーの現状の満足度も高い

Aについては、ユーザーの要求に応えていて、かつそれが満足度に繋がっているという点で、「強み」と言える項目です。Aの中で比較するとすれば、端末のブランドが最も満足度、重要度共に高いのでこの項目がiPhoneにとっての一番の強みと言えます。

B:ユーザーの総合満足度への影響度が強いものの、ユーザーの現状の満足度が低い

Bについては、「最優先の改善項目」と言えます。今回の調査では、iPhoneユーザーの回答としては、Bに該当する項目はなく、iPhoneの高い完成度を裏付ける結果となりました。

C:ユーザーの総合満足度への影響度は低いが、ユーザーの満足度は高い

Cについては、コストや工数(例えばBに該当する項目の改善など他の優先課題)の兼ね合いで、現状維持もしくは少し優先度を下げても問題ない項目といえます。

D: ユーザーの総合満足度への影響度が低く、かつユーザーの満足度も低い

Dについては、「優先度が低い改善項目」といえます。「バッテリーの持ち」については、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行黎明期には、最重要課題として上がってくることも多かった項目でしたが、各メーカーの努力が実り、全体的に持ちがよくなっているのと、ユーザーがスマートフォンのバッテリーの持ち時間(フィーチャーフォンと比較すると短いという意味で)に慣れてきた背景もあり、どちらかというとあまり重要視されなくなってきていると推測されます。

価格についてはキャリアの戦略により「実質無料」や月々500円~1,000円程度の実質負担額での販売が広く普及している為、価格不満による影響は低く出ているようです。最終的には、開発工数とコストの見合いにはなりますが、現時点ではあまり重要視されない「バッテリーの持ち」よりは、重要度は2番目に高いものの、満足度はAの中では下から2番目にある「操作性」を高めた方が結果的にはユーザーの満足度に直結する可能性を示唆していると言えます。

また、販促やマーケティング活動においては、同じ顧客満足度の項目であっても、Cに入っている項目よりはBに入っている項目で訴求した方が、現時点でユーザー満足に直結している事からも、より実販売に繋がる可能性があると考えられます。
このように見方を変えてみると、同じデータからも違った側面が見えてきます。


今回のコラムで用意したデータはあくまでiPhoneシリーズをひとつにまとめたものであり、それぞれのラインナップ毎に抽出すればより詳細な打ち手が浮かび上がってきます。
弊社でお受けする個別リサーチのご依頼では、端末ごとの満足度調査や競合と比較したポジショニングマップの作成なども実施しております。また、同様の手法で、端末のみならず、webサービスやアプリなどの分析も可能です。
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