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コラム

2015年8月31日

小学生の子どもに持たせる携帯電話端末としての格安スマホとMVNOの課題

MMD研究所では今月、子どもの携帯電話に関する調査を3回に渡り行いました。今回は、昨今の格安スマホ市場の盛り上がりを受け、子どもに持たせる携帯電話端末として格安スマホ(SIM)という選択肢が広まってきているのではないかという仮説のもと、母親の格安スマホ(SIM)に対する意識調査を主軸としました。

まず、現在キャリアの携帯電話端末を持たせている母親に格安スマホへの乗り換えについて質問をしてみたところ、小学生の母親の26.7%、中高生の母親の21.2%が格安スマホ(SIM)を「検討している/するつもりである」と回答しました。

【小学生】


【中高生】


今年3月に10~60代のスマートフォンを所有する男女を対象に行った「格安スマホに関する調査」では、格安スマホの購入予定について聞いたところ35.1%の人が購入を考えていると回答しました。これと比較しても、現在、小中高生の子どもを持つ母親の意識内にある格安スマホ(SIM)のマインドシェアも低くはないと言えます。



一方で、「小学生の携帯電話端末に関する調査」において、今は子どもに携帯電話端末を持たせていないが、検討をしていると回答した母親を対象に、どの端末を検討するかを聞いたところ、「キャリアの子ども向けフィーチャーフォン」が最も多く、「格安スマホ」は「キャリアのスマートフォン」「キャリアの子ども向けスマートフォン」に次ぐ4番目で、「格安スマホ(SIM)」「子ども向け格安スマホ(SIM)」を合わせ14.8%にとどまりました。



この結果から、小学生の母親が子どもに携帯端末を持たせる際に留意する点は利用料金だけではないと思われます。
同じく「小学生の携帯電話に関する調査」で各機能の必要性について回答してもらった結果が以下になります。



携帯電話端末に不可欠な機能の中でも、とりわけ「非常に必要」との回答が多かったのが、「通話」そして「防犯」「GPS」「フィルタリング」機能でした。

しかし、今のところ格安スマホ(SIM)事業者の中で、こうした機能を提供している事業者は限られているのが現状で、これが格安スマホが子どもに与える端末の選択肢として上がってこない一因となっている可能性があります。

なお現在、フィルタリング・防犯機能等を実装し子ども向けとされる格安スマホには下記のような例があります。

TONEモバイル



GPS機能、アプリダウンロード制限機能、アプリ利用時間制限機能、歩きスマホ警告機能など

フェアリシア




GPS機能、利用時間設定機能、アプリ利用制限機能、遠隔操作による見守り機能など

ポラスマ



GPS機能、利用時間設定機能、アプリ使用制限機能、ビデオチャンネル閲覧制限機能、ウェブサイト閲覧制限機能、オンラインゲーム使用制限機能、発信制限アプリなど

ケーブル会社提供の格安スマホ



ソースネクストが子供/青少年安心パックという「子供を守る」をテーマとし、フィルタリング機能の入ったアプリ等をパックにしたサービスをケーブル会社の格安スマホ向けに提供しています。


最後に、学年を問わず母親9,352人に行った調査で「子どもに携帯電話端末を持たせる時期」として妥当と思う学年を聞いたところ、13.2%が「分からない」と回答しました。



携帯電話端末を持たせる時期は、子どもの個性によっても変わってくる問題だと思いますが、いつが適切かは親御さんにとっても見極めがまだまだ難しい問題となっているようです。だからこそ、どんな子に持たせても安心な端末やサービスの充実が待ち望まれます。

そして、これは更に市場を広げるチャンスであり、異業種が参入相次ぐこの格安スマホ(SIM)市場を更に活性化させる要因ともなりそうです。

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