コラム
2015年7月28日
白熱する格安スマホ市場 光コラボレーションモデルがもたらすものと課題
今年5月、MMD研究所が行った「2015年5月格安スマホ利用者の満足度調査」で、トップ3に入ったIIJ mio、OCNモバイルONE、BIGLOBE LTE 3Gには、ある共通点があります。
「光セット割」と言われる割引サービスを提供している点です。光セット割とは固定の光回線とスマートフォン回線をセットにすることで割引を行うサービスです。
主なMVNO事業者の光セット割りサービスを以下にまとめました。
こうした割引サービスを追加する動きは最近、既存の3キャリアでも見られ、各社CMを打つなど積極的に訴求しているように見えます。光セット割の誕生によって、キャリアにとっては格安スマホという選択肢を持つようになったユーザーに対し、料金面で訴求できる武器を一つ手に入れたかっこうと言えるのかもしれません。
表からも分かるように、こうしたサービスの開始が同時期に重なっているのは偶然ではなく、総務省主導で「光コラボレーションモデル」なるものが始動されたことが背景にあります。
今年2月1日から開始されたこの「光コラボレーションモデル」により、国内シェア約7割とも言われる家庭用光ファイバー回線「フレッツ光」を独占販売していたNTT東日本とNTT西日本は、様々な事業者にその卸売をすることができるようになりました。
これにより各事業者は、光回線サービスに独自のブランド名と付加価値を付けて販売ができるようになり、スマートフォン回線とセットにした光セット割も可能になったのです。
今年3月にMMD研究所が行った「光セット割に関する実態調査」では、光セット割に加入した理由として「回線料金が安くなるから」という回答が圧倒的に多くなりましたが、ユーザーにとってはこれ以外にも、これまでプロバイダーとNTTそれぞれに支払ってきた利用料の支払い先が一本化されるなどのメリットが考えられます。
またNTTぷららやU-NEXTは光回線を利用した既存のビデオオンデマンドサービス「ひかりTV」「ユーネクスト」それぞれとセットにした割引プランなども用意しており、各事業者とも今後は光回線を活用した独自サービスを併せて提供することによって差別化を図っていくことになるでしょう。
2014年10月中旬時点で光回線を卸すNTT東西と秘密保持契約(NDA)を結び、詳細な条件を提示した事業者は100社を超えたと言われています。今年8月からは、ビックSIMを販売するビックカメラも「ビック光」としてセット割を開始することを発表しました。
こうした動きは今後も加速し様々な事業者が光回線を活用したサービスの提供を行っていくものと予想されます。中でも、既述したようにMVNOと光セットの親和性は高く、
ユーザーは今後、スマホ(端末)単位ではなくトータルな通信環境サービス単位で選ぶ時代になっていくのかも知れません。
ただ、既述したMMD研究所の「光セット割に関する実態調査」では、課題も浮かび上がっています。光セット割というサービス名に対する認知は8割を超えますが、同時に「内容をよく理解していない」と回答した人が6割を超え、加入を検討しながらも「契約が面倒くさそう」などのネガティブなイメージを持つ人がおよそ半数いることが分かったのです。
こうした不安点は、今年3月に行った「格安スマホに関する意識調査」において、格安スマホ購入予定者が購入に際して感じているものと似通っています。
格安スマホと光コラボレーションによって、これまで不満の多かった通信料が格段に抑えられ、ユーザーに歓迎されるのは間違いないと考えられますが、料金形態をはじめとするサービス内容をいかに分かりやすく訴求できるか、料金以外でいかにサービスを差別化できるか、そしてどうユーザーをサポートしていくか、という点が重要になっていきそうです。
「光セット割」と言われる割引サービスを提供している点です。光セット割とは固定の光回線とスマートフォン回線をセットにすることで割引を行うサービスです。
主なMVNO事業者の光セット割りサービスを以下にまとめました。
こうした割引サービスを追加する動きは最近、既存の3キャリアでも見られ、各社CMを打つなど積極的に訴求しているように見えます。光セット割の誕生によって、キャリアにとっては格安スマホという選択肢を持つようになったユーザーに対し、料金面で訴求できる武器を一つ手に入れたかっこうと言えるのかもしれません。
表からも分かるように、こうしたサービスの開始が同時期に重なっているのは偶然ではなく、総務省主導で「光コラボレーションモデル」なるものが始動されたことが背景にあります。
今年2月1日から開始されたこの「光コラボレーションモデル」により、国内シェア約7割とも言われる家庭用光ファイバー回線「フレッツ光」を独占販売していたNTT東日本とNTT西日本は、様々な事業者にその卸売をすることができるようになりました。
これにより各事業者は、光回線サービスに独自のブランド名と付加価値を付けて販売ができるようになり、スマートフォン回線とセットにした光セット割も可能になったのです。
今年3月にMMD研究所が行った「光セット割に関する実態調査」では、光セット割に加入した理由として「回線料金が安くなるから」という回答が圧倒的に多くなりましたが、ユーザーにとってはこれ以外にも、これまでプロバイダーとNTTそれぞれに支払ってきた利用料の支払い先が一本化されるなどのメリットが考えられます。
またNTTぷららやU-NEXTは光回線を利用した既存のビデオオンデマンドサービス「ひかりTV」「ユーネクスト」それぞれとセットにした割引プランなども用意しており、各事業者とも今後は光回線を活用した独自サービスを併せて提供することによって差別化を図っていくことになるでしょう。
2014年10月中旬時点で光回線を卸すNTT東西と秘密保持契約(NDA)を結び、詳細な条件を提示した事業者は100社を超えたと言われています。今年8月からは、ビックSIMを販売するビックカメラも「ビック光」としてセット割を開始することを発表しました。
こうした動きは今後も加速し様々な事業者が光回線を活用したサービスの提供を行っていくものと予想されます。中でも、既述したようにMVNOと光セットの親和性は高く、
ユーザーは今後、スマホ(端末)単位ではなくトータルな通信環境サービス単位で選ぶ時代になっていくのかも知れません。
ただ、既述したMMD研究所の「光セット割に関する実態調査」では、課題も浮かび上がっています。光セット割というサービス名に対する認知は8割を超えますが、同時に「内容をよく理解していない」と回答した人が6割を超え、加入を検討しながらも「契約が面倒くさそう」などのネガティブなイメージを持つ人がおよそ半数いることが分かったのです。
こうした不安点は、今年3月に行った「格安スマホに関する意識調査」において、格安スマホ購入予定者が購入に際して感じているものと似通っています。
格安スマホと光コラボレーションによって、これまで不満の多かった通信料が格段に抑えられ、ユーザーに歓迎されるのは間違いないと考えられますが、料金形態をはじめとするサービス内容をいかに分かりやすく訴求できるか、料金以外でいかにサービスを差別化できるか、そしてどうユーザーをサポートしていくか、という点が重要になっていきそうです。
この記事の執筆者
MMD研究所(編集部員)