コラム
2014年9月8日
小学生の子供に携帯電話を持たせる賛否と最新キッズケータイ
報道では、女子児童の母親は事件前に不審な車を見かけており、用心のためGPS(全地球測位網)機能とブザーを備えた子供向け携帯電話を持たせていた。事件当日、母親はGPS機能で児童を探したが発見できず警察に通報。転々と示す位置情報を基に捜索するも午前0時半頃に携帯からの反応が無くなった。
発売されている一般的な子供向け携帯電話は防水機能を備え、電池が切れ間近にはメールで知らせる機能がある。誘拐犯逮捕後に分かったことだが、女児が持っていた携帯電話を途中で捨てたとある。その後、携帯電話が発見されたとの報道は無い。通信が途切れ、電池切れメールも無いことを考えると犯人が子供向け携帯電話に気づき壊して捨てた可能性があります。
痛ましい事件ですが、この事件によってあらためて子供の安心・安全を守る難しさと防犯機能として子供に携帯電話や防犯ブザーを持たせることの関心が高まっていると感じています。
この事件を受けてMMD研究所では8月19日に「2014年子供を持つ母親の携帯電話・スマートフォンに関する意識調査」と8月22日に「小学生の子供を持つ母親の携帯電話端末に関する利用実態調査」を発表しました。
2つの調査から子供を持つ親の携帯電話に対する意識と現在発売されている子供向け携帯電話をまとめてみました。是非、子供に携帯電話を持たせることについて考えたり、話し合う上で参考にして下さい。
・子供に携帯電話を持たせる必要性を感じる母親は57.0%
小学生の子を持つ母親に子供に携帯電話を持たせる必要性について聞いたところ、57.0%の母親が必要性を感じています。・子供が携帯電話を所有していてよかったと思うことは?
子供に携帯電話端末を持たせている母親(N=390)を対象に子供が携帯電話端末を所有していてよかったと思うことは何かという質問で、最も多かった回答は「緊急時に連絡が取れる」が74.4%、次に「子供の位置情報がわかる」が40.3%、「こまめに連絡をとるようになった」が30.8%と子供の安否を確認できる方法が重視されているようですね。・携帯電話の小学校への持込みは?
小学生の子供に携帯電話を持たせている母親の30.3%の母親が子供に携帯電話端末を学校へ持ち込ませていることがわかりました。逆に39.0%の親は学校が持ち込みを禁止しているので持たせていないということもわかりました。登下校時での事件も多発しているということもあり、一概に禁止することがいいとは言えない世の中になってきています。
塾帰りの子供たちが駅まで塾の講師らしき人に引率されて駅へ向かって歩いているのを見かけることがあります。塾などの少人数だと大人の目も行き届きますが、学校となると全員を監督することは不可能なので、携帯電話に限らず、GPS機能を持つ防犯ブザーの所有と学校への持込みを地方自治体や文科省、教育委員会で方針を出し、教師・保護者で話し合うことが、ますます大切になってくるでしょう。
特に今回の事件では携帯電話が壊されたり、電波が届かない場所で機能しなくなる課題があります。また、ニュースによって子供向け携帯電話の認知が高まることで所有が広まると同時に誘拐犯人も子供向け携帯電話の存在を知る問題もあります。各通信キャリア、端末メーカーや総務省の今後の対策に注目したいと思います。
<各キャリア最新の子供向け携帯電話>
docomo スマートフォン for ジュニア2 SH-03F
au mamorino3
SoftBank みまもりケータイ3 202Z
セノオ アキコ(セノオ アキコ)
MMD研究所 編集部員