コラム
2014年6月27日
バッテリー問題が解消されつつある今、これからのスマートフォン選びのポイントは?
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2014年スマートフォン夏モデルの発表会
5月、各通信キャリアより2014年夏モデルのスマートフォンが発表されました。例年通りキャリアから端末ラインナップを発表したのがドコモとKDDI。ソフトバンクは発表イベントを今年から中止しました。
今までは各通信キャリアの仕様や指示を受けてパートナー端末メーカーが数年かけて開発し、広告から販促、販売をキャリアが一括して主導してきました。スマートフォン時代になり、端末(ハードウェア)の機能や形状に大きな差がなくなり、グローバル市場化する中でiPhoneを販売するアップルや世界規模のブランドキャンペーンをするサムスンはメーカー独自で新製品やサービスの発表イベントを自ら行います。キャリア側の販売商戦にグローバルメーカーは合わせてくれなくなっています。
iPhoneシリーズの販売比率が約7割のソフトバンクがシーズンモデルの新端末発表会を行わなくなったのは理解できるところです。最近の発表で傾向は出ていますが、ソフトバンクモバイルの発表ではなく、ソフトバンクグループの総合発表として、スマートフォンは当然ながらYahoo!やアリババ、ガンホーなどグループ全体から新サービスを発表し、報道メディアを通じた話題づくりやファンづくりを狙っていると思います。アップルのPRの良い面を参考にしているのでしょう。
2014年スマートフォン夏モデル一覧
さて、夏モデルシリーズを比較してみましたが、ほとんどスペックの差がないですね。
仕事柄最新のスマートフォン端末に触れる機会が多々あるのですが、5インチ以上の大画面スマートフォンは私の手のサイズだと片手操作は難しいですね。ワンセグや動画を観たり、ゲームしたりするにはとても良いと思いますが。
大画面スマートフォンといえばサムスンのGALAXY Noteシリーズが有名です。日本ではそこまで売れた端末ではないですが、世界では人気モデルだそうです。特に女性のキャリアウーマンやセレブの間ではネイルをしていてもタッチペンがあるので人気のようです。MMD研究所の調査でも画面サイズが大きければ大きいほど、利用者満足度が高い結果が出ています。秋に発売が噂されているiPhone 6も5.5インチ以上の大画面サイズが出る噂ですので、スマートフォンサイズは4.5~4.8インチと5.0~5.3インチ、そして5.5~6.0インチの3パターンで消費者の好みを測るのではないでしょうか。
スマートフォンのバッテリー不満が解消?
ところで、スマートフォンのバッテリーを長持ちさせるために何かしていることはありますか?私はiPhoneを所有しているのですが、できる限り不要な起動アプリは終了させています。最近はLINEなど常駐起動のアプリが増えているので、小まめな充電が欠かせなくなっています。
今までMMD研究所で行ったスマートフォン端末満足度調査ではバッテリー以外の項目で7割前後の方が満足しており、ワーストを記録していたバッテリー問題も飛躍的に解消されています。スマートフォンに慣れてきた方が多くなったのか、操作性に関してはどのメーカーブランドも問題はないと言えるでしょう。2012年~2014年で各項目の満足度調査の推移を出し、比べた結果「バッテリー」の満足度が2012年では25.2%だったのに対し、2014年では54.6%と満足度が29.4%と顕著に上がり、「操作性」においては、49.7%だった満足度が70.4%と20.7%満足度が向上した結果となっています。
それ以外の項目については大幅に数値が変わることはありませんでした。ということは、各メーカーもここにきてある程度の進化を遂げたので、今後の機能面やそれ以外のところで競合と差をつけていかなければならないでしょう。
ちなみに、以前持っていた携帯端末別で比較してみると、フィーチャーフォンからスマートフォンへ機種変更した人の48.3%、スマートフォンからスマートフォンへ機種変更した人の59.6%がバッテリーに関して満足しています。この結果からもバッテリーに対する以前から言われていた課題が徐々に解決されていることがわかりますね。
しかし不満足度を見てみるとバッテリーの持ちに関しての不満が2割います。シャープの半導体IGZOの液晶パネルやGalaxy S5の「ウルトラ省電力モード」などバッテリーの不満解消に向けた開発を各メーカーは凌ぎを削っています。
これから購入するスマートフォン選び
さて、2014年6月18日に米Amazonがかねてより噂されていた独自スマートフォン「Fire Phone」を発表しました。Fire Phoneは独自機能にAmazonの1億点に上る商品情報をカメラやマイクを使って探し出したり、Fire Phoneをアイテムにかざすと、情報をスキャンし記録し「AWS(Amazon Web Service)」のデータベースを参照し、Amazonから購入可能な商品をスマートフォンに表示する「Firefly」や複数のカメラと赤外線を組み合わせてユーザーの顔をリアルタイムで認識し、ユーザーが画面を見る確度に合わせて3D効果を生み出す「Dynamic Perspective」が期待を持たれています。
通信キャリアが土管屋からサービサーに活路を見出し、新たな差別化や新規ビジネスに乗り出す中で、既に消費者から圧倒的に支持されるサービスを持つインターネット事業者の独自スマートフォンなどスマートフォンの端末の進化と競争は新たな局面を迎えています。
これから新しいスマートフォンを購入しようと検討している方は夏モデルのスマートフォンから選ぶか、9月に発売が濃厚なiPhone 6登場まで待つか、Fire Phoneなどの新しいスマートフォンに期待するか、皆さんはどうされるでしょうか?
この記事の執筆者
セノオ アキコ(セノオ アキコ)
MMD研究所 編集部員