コラム
2024年3月21日
自社の顧客はどんな人?~ユーザー分類とは~
自社の顧客はどんな人?
- 第1回:ユーザー分類とは
- 第2回:カスタマージャーニーとは
目次
■ はじめに
■ ロイヤルカスタマーとは
■ ユーザー分類とは
■ ユーザー分類で見る詳細データ
■ おわりに
はじめに
ビジネスの成果をあげるため、多様な施策を実行するも「なかなか結果につながらない…」という方も多いのではないでしょうか。
もしかしたら、自社の顧客への理解が足りていないかもしれません。
自社の顧客を理解することは、ビジネスの成果を上げるための第一歩です。顧客の基本情報(年齢、性別など)はもちろん、どうして商品やサービスを知ってくれたのか、利用した感想、などの情報を把握しておくことも重要です。
特に、「商品やサービスを継続的に利用してくれ、利益を生み出してくれる顧客」であるロイヤルカスタマーについて把握することは、企業の課題解決のヒントとなります。
MMDLaboが提供している顧客分析プログラムでは、自社の顧客を理解し、顧客の特徴を分析することで、企業の課題解決のヒントとなる調査をご提供しています。
今回は顧客分析プログラム調査でポイントとなる「ユーザー分類」について解説します。
ロイヤルカスタマーとは
ロイヤルカスタマーとは、企業や企業が提供する商品・サービスに対して「商品やサービスを継続的に利用してくれ、利益を生み出してくれる顧客」のことを指します。ロイヤルカスタマーは企業にとって収益性も高いため、今後増やしていきたい顧客の代表例となります。
現在のロイヤルカスタマーの特徴を知ることにより、自社の強みを把握することはもちろん、新規顧客獲得へのヒントを得ることができます。
ユーザー分類とは
顧客分析プログラムではロイヤルティ指標軸を定め、セグメントごとで分けることでロイヤルカスタマーを定義します。
LTV(顧客生涯価値)の最大化を図るため、「収益性」と「継続性」をロイヤルティ指標軸としてユーザーを分類し、「ロイヤルカスタマー(継続的な利益を生み出してくれる顧客)」を把握していきます。
商品Aの例(下図)では、「収益性×継続性」を高低で分類し、4つのセグメントで設定しています。
※図の数値はダミーです
収益性高×継続性高
上図の右上(黄色)の「収益性高×継続性高」セグメントがロイヤルユーザーです。このユーザーが企業にとって「継続的な利益を生み出してくれる顧客」となります。
他のセグメントの特徴を分析し、ロイヤルユーザーに近づけるための施策を検討する必要があります。
収益性低×継続性高、収益性高×継続性低
右下(緑色)は「収益性低×継続性高」セグメント、左上(青色)は「収益性高×継続性低」セグメントです。この2つのセグメントのユーザーは収益性と継続性のうち片方は高いものの、何かしらの要因があるためにもう片方は低い顧客です。
このユーザーの不満意見などを取り入れて、今後の施策に展開することで、将来的なロイヤルカスタマーを増やすことも可能になります。
収益性低×継続性低
左下(灰色)の「収益性低×継続性低」セグメントは、4セグメントの中で離脱の可能性が一番高いユーザーとなります。商品や企業への思い入れや継続性も少なく、企業としては収益にもつながりにくい顧客です。
しかし、このユーザーのこともしっかりと理解することで、「今後優先して獲得すべきでない顧客はどんな人なのか」という点を知ることができます。
ユーザー分類で見る詳細データ
先ほどのユーザー分類のセグメントごとに詳細データを見ることで、各セグメントの傾向が分かります。
下のグラフは、商品Aを購入する前の情報収集についてのデータです。
※図の数値はダミーです
収益性高×継続性高
ロイヤルカスタマーである「収益性高×継続性高」セグメントのユーザーは、公式サイトでの情報収集が57.5%と最多です。公式サイトで詳細を確認してから商品を利用しているため、利用後のギャップが少なく、満足して継続良して利用しているのではないかと推測できます。
収益性低×継続性高、収益性高×継続性低
「収益性低×継続性高」ユーザーは比較サイト、「収益性高×継続性低」ユーザーはSNSでの情報収集が多くなっています。この2つのセグメントのユーザーは、事前に情報収集を行っているものの、事前の商品理解が足りず、使用後にギャップを感じていると推測できます。
今回のロイヤルユーザーと同じく、事前に詳細な情報に触れてもらえれば、使用後のギャップが減る可能性があります。そのため公式SNSなどから公式サイトへのスムーズなルートの用意、広告などを活用するなど、公式情報に触れてもらうような施策を考えることができます。
収益性低×継続性低
「収益性低×継続性低」ユーザーは、情報収集をしていないという回答が最多です。商品利用前の情報収集に積極的ではないため、商品利用前と利用後のギャップが特に大きいのではと考えられます。総じて満足度が低くなり、継続しての利用は考えられないのではないでしょうか。
特に情報収集をしていない層ではありますが、情報に受動的であるとも捉えられるため、ネット広告やSNS広告などで自然と情報に触れてもらえるような工夫が必要になります。
このように詳細データをセグメントごとに分析することができます。
しかし、全てのセグメントの結果を反映させることは難しく、闇雲に施策を実施しても意味はありません。そのため、「企業が求める理想に近づくためにどのような部分が最重要なのか」を考えて整理していくことが必要です。
おわりに
今回は顧客分析プログラムの「ユーザー分類」について解説しました。
「ユーザー分類」を活用して詳細データを見ていくことで、“どんなユーザー”がいるのか、各ユーザーの特徴を詳しく分析することができます。
これらの結果から自社の現状の強みや足りない部分を把握し、現状の課題に対するヒントを得ることができます。
弊社の顧客分析プログラムでは、ユーザー分類に加えて、詳細データの分析や、結果を活用した打ち手の提案までサポートを行っています。
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