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Vol.50 「かめはめ波」を撃てるARゲーム「HADO」を作ったmeleapが目指すARのビジョンとは

インタビュー

日付:2016/10/31

執筆者:妹尾 亜紀子

Vol.50 「かめはめ波」を撃てるARゲーム「HADO」を作ったmeleapが目指すARのビジョンとは

Vol.50 「かめはめ波」を撃てるARゲーム「HADO」を作ったmeleapが目指すARのビジョンとは

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子どもの頃に「かめはめ波」を撃ってみたかった。幼少期に憧れた「かめはめ波」をAR技術とウェアラブルデバイスを用いて実現させた「HADO」を開発する株式会社meleapのCEO 福田浩士氏にARの魅力、今後のビジョンについて話を伺った。


■貴社の取り組みと福田さんについて教えてください。


株式会社meleapという会社で、「HADO」というサービス提供しています。
「HADO」はヘッドマウントディスプレイ、アームセンサーを身に着け、子どもの頃に憧れた「かめはめ波」のような技を撃ち合って戦うという、スポーツゲームを作っています。


HADOは対人戦になるのですが、最大3対3で戦うことができ、二つのチームを作って、黄色チーム、紫チームに分かれてバトルをします。その中で、エナジーボールを放てるし、バリアーを出して相手の技も防げるし。限られた制限時間以内に、相手のライフをどんどん削っていって、どれだけポイントが稼げたかっていうので勝敗が決まります。

 で、その基本的な仕組みを使っていくつか他のコンテンツも作っていて、「リアルモンスターバトル」というゲームがあるのですが、それは人対人ではなくて、バーチャルでモンスターが出てきて、仲間と一緒に倒しにいくっていう、ゲームも創っています。最大8人で戦うことができ、例えばドラゴンをみんなで倒すのですが、ファイヤーボールなどの必殺技をいくつかの動きで出し合って倒しにいきます。

 あとは、リアルモンスターバトル以外でいうと、HADOカートという車に乗って運転しながら、技を放ち合うっていうコンテンツも作っています。そのベースになっているのが全てHADOの仕組みですね。ARの技術がベースになっている。
 提供先としては、テーマパーク、レジャー施設、ゲームセンター、ショッピングモールから、エンターテイメントをやっている施設に提供しています。
HADOは国内国外問わず、どんどん広げていきます。例えばハウステンボスだったら、今3つのアトラクションに入っていますし、あとナンジャタウンとか、イオンがやっているVRセンターというものが今月頭に越谷レイクタウンにオープンしました。


越谷レイクタウンでHADOを体験した人から聞いた話なのですが、複数の友人と行き、友人が恥ずかしいと言って結局一人で体験したという話を聞きました。その友人は他のVRコンテンツは体験したのですが、HADOはプレイしているところを係りのお姉さんに実況中継されるので、そこが恥ずかしかったみたいです。
そういう抵抗感はあるかもしれないですね。恥ずかしい方のほうがやっぱりまだ多いみたいです。

HADOは今年の夏に上海ジョイポリスに出展していまして、上海ではあまり恥ずかしかっている人はいないですね。中国は知らない人たちの前でカラオケもするぐらいなので人前で何かすることに対してあまり抵抗がないのかと思います。

上海ジョイポリスって、あそこでカラオケするんですよ。一人一人、マイク持って。みんなの前で踊ったりするんです。
なので、日本とは全然違うんですよ。そこら辺は国や、コンテンツによって、見せ方を出し分けていければいいと思うんですけど、多分、恥ずかしいと思う人も中にはいると思いますね。
女性よりか男性のほうがそういう恥ずかしさっていうのがないかもしれないですよね。

衣装から入り込めば意外といけるかもしれないですね。
「HADO」の頂点を決める「HADO WORLD CUP 2016」を11月26日に開催をするのですが、その中にベストコスチュームチーム賞も設けています。

■フランスはアニメが好きな方や、親日家が多いので親和性が高いのかなって思ったんですけど、ヨーロッパ圏を含めどこの国にどのコンテンツをコンテンツを展開したいというビジョンがあるんですか?


実は、今年のゴールデンウィークにフランスでもイベントを開催したんです。
すごく盛り上がりました。ビジネス的にどうやって落とし込めるかという点では、今探っているところであります。
ただ、ヨーロッパにゲームセンターでいうと市場がないので、どういう落とし込み方がいいっていうのは考えていかないといけないです。

テーマパークはちょこちょこあるんですけど、ゲームセンターは少ないです。ヨーロッパはどちらかというと、スポーツとか旅行とか、そういう比重は大きいじゃないですか。
なので、いかにして人々のニーズを掴んで落とし込むか、場合によっては、とある国では飲食とセットにして販売するのがいいかもしれないですし、ライブとセットにして販売するのがいい、そういうのって文化によって若干違って、必ずしもショッピングモールがいいというわけではないのかと思っています。

世界中いろんな国でHADOを展開できるチャンスはあるとおもっていますが、今のところは中国が強いかなと。やはり中国の市場は大きいですし、投資されるお金の量もスピードもすごい速く、大きいので、中国は一番プライオリティ高めでやっていきたいなと思っています。
それ以外で言うと、アジア圏、最近は中東の話し合いがいくつか来ているんですけど、あそこら辺を探っていきたいなと。あとアメリカとかもそうですね。

国民性が違うという点もありますが、海外で十分盛り上がっていくコンテンツだと思います。なので、国によって若干、見せ方とか売り方、コンテンツのつくり方とかも少し変わってくると思うので、そこら辺はちょっと試行錯誤しながらやってみたいとは思います。ワールドワイドに広がるもんだと思いますね。とにかく、言葉使わないですし。

HADOは腕を振れば技が、下から上に手を上げればバリアーが出る、すごいシンプルなんですよ。言ってしまえばドッジボールとか、テニスやろうよっていうようなもので、ルールさえ、感覚さえ分かればすぐ誰でも飲み込めるので。そういうのがいいですよね。

■ヘッドセットは御社がどこかに委託されてるんですか?


ヘッドセットはスマートフォンを差し込んで使っているんですけど、ゴーグルは基本的には僕らが作っています。製造はバイトで来てくれているメンバーにやってもらったり、あと組み立ては外部の工場に発注したりしています。基本は僕らがやっていますね。

イベントまで一貫しているほうが、幅広いじゃないですか。ソフトアプリケーションを作りつつ、ハードウエアも作って、現場でインストールして落とし込んで、運営のサービスまで作り込むっていう。
そこまでできるからこそ、やるからこその参入障壁になるんですよね。他社がやりにくいのもあるし、オリジナルのノウハウが積み重ねられるのかなっていうのは思いますけどね。



■福田さんがHADOに情熱を注ぐきっかけは何だったんでしょうか?


単純に「かめはめ波」を撃ちたかったっていうシンプルな理由です。
そういうのが世界中の誰もが何らかしら思っているものがあって、例えばハリー・ポッターの魔法がしたいとか、そういうのを実現するのが夢なんですよね。実現できれば世界中の人が共感してくれて、参加してくれるので、すごく広がりのあるものかなとは思います。

そうですね。今はリストバンドで手から技を出すっていうのをやっていますけど、今後いろんな武器を作ってみたいなっていうのはありますね。
弓矢とかもそうですし、剣、双舞剣とか、いろんなパターンがあり得ると思います。

普段ゲーム、漫画、アニメとかいろいろ見ていて、多分そういうところからだと思うんですけど、これを実現させてみようみたいなって感じですアイディアが湧いてきます。
あとは他社の製品とか、技術的なところをいろいろ加味しつつ、こういうところに落とし込みできないかなっていうのを考えてみたり。

■ARはまだまだ世間に浸透してるようで、してないものだと思うんですが、長い目で見たときに、ARの世間への浸透や、今後のビジョンはありますか?


そうですね、やはりARが広まるには、コンシューマーデバイスがないと駄目だと思うんですよ。それがMagic Leapなのか、ホロレンズなのか、Googleグラスなのかは分からないですけど、何らかしらのコンシューマー向けのデバイスがあって、それを手にするからこそ認知が広がっていくっていうのがあるので、今でいうiPhoneみたいなデバイスが新しく出てくるイメージですよね。

対コンシューマーに関しては、それがないとまず始まらないのかなと思うのと、B to Bで僕らが施設型ビジネスをやるんであれば、今からでもすぐ信用はつくっていけるだろうなと。そんなに大きくはないですけど、そういう規模ならビジネス的にはできると思っています。

遊園地なり、ハウステンボスなり、観光施設なり、いろんな施設に導入して、そこに来た人で楽しんでもらうっていうモデルですね。

時間軸によって変わってきますけど、まずは憧れのスポーツ競技、憧れの選手たちがここに来て競い合うっていうような新しいスポーツ仕様としてつくっていきたいなっていうのが一つ。で、さらにその先でいうと、もっと日常に溶け込んでいって、日常のコミュニケーションにまで落とし込む。
例えば、会話をしている場で、パチンと指を鳴らしたらLINEスタンプのようなものが何か飛び出るかもしれないといったコミュニケーションができたらいいなというふうにはずっと思っています。それが実現できるようになるのは20年ぐらい先の話ですけど。

あとは新しいスポーツをつくったほうが面白いんじゃないかなと思っています。今のHADOもそうですし、現実では体験できない何かを提供していくっていうほうが、ARとかVRらしい、そこの魅力を出せるんじゃないかな。
もちろん既存のスポーツをいつでもどこでも気軽にできるようにするっていう意味で、マリオテニス的な、実際にボールは打ってないけど、ボールが見えて卓球とかテニスができるみたいなものは、実現できるとは思いますけどね。
スポーツ以外にもつくっていきたいなというふうに思います。そこを起点にやっていこうというところです。

あとはスポーツジムでの導入も面白いと思います。ビジネス的には結構いろんなチャレンジが必要ですけど、例えば知らない人たちを対戦させるにはどうすればいいのかとか、回転率をどうデザインするかとか、いろいろありますけど、十分可能性として将来出てくるだろうなとは思いますね。

知らない人とやるっていうのが面白いなと思って、そこから生まれるコミュニケーションがあるじゃないですか。そういうのがいいですよね。
ポケモンGOとかIngressとか、あともっと言えばサバゲーとかそうですけど、知らない人たちが集まって、一緒にやり取りしながら仲良くなっていって、っていうのがいいんですよね。だからこそARなんですよ。ARならではのコミュニケーションをもっとたくさんの方に知ってほしいです。

1人でプレイするのももちろん楽しいんですけど、仲間とやるからこそもっと面白くなる、もっと広がりがあるっていうのが出てくるんで、いいですよね。

HADOを体験した人の口コミを見ていると、仲間と一緒にプレイすることがすごく大事になってくるなと思っていて、そういうところできっとどんどん広がっていくのかなっていう、やっぱりARってコミュニケーションなんだなっていうのはすごく感じました。

新たなスポーツであり、新たなコミュニケーションツールみたいになって、それによってドラマを生みたいですよね。
いろんなドラマが考えられると思いますけど、極端な話、HADOから始まる映画化できるようなストーリーとか作ってみたいです。

■多くの方にVR/ARを体験してもらうために、今後どのような取り組みをされていくのかを教えてください。


プレイステーションVRが発売されたということもあり今VRへの認知度っていう意味ではすごく高いですよね。
スマートフォンの普及レベルにまでは行かないと思います。誰もが一度はやったことあるとかっていうレベルに行くのには時間かかると思います。
2020年にVRを体験した人が日本国民でどれくらいかいるかというと半数は超えていないと思います。普及にはコンシューマーデバイスがカギになると思っています。やはりテーマパークなどの施設だけだとリーチできる数が限られているので。

VR/ARがもっと普及するのに必要なこととして、第一に考えるのは、体験できる場所を増やすっていうことなんです。日本全国、世界各地に体験できる場所、ここに行けば確実にできるって言われている所を増やしていく。
 それ以外に、動画コンテンツとして、HADOやリアルモンスターバトルをプレイしている様子、大会の様子を配信していく。それでやったことのない人たちにも興味を持ってもらえるし、観戦者として楽しめるし、それをきっかけにやろうと思ってもらえると思うんです。なので、その二つは大事かなと思っています。

スポーツとしてのHADOと、テーマパークのアトラクションとしてのHADOは若干違う意味を持っています。
スポーツとしていかに普及していくかってことを考えると、テーマパークはそれに当てはまらないわけじゃないですか。例えば、テーマパーク、ゲームセンター、ショッピングモールっていうところに、対人戦スポーツとしてのHADOっていうのは入れていくことにはなると思いますけどね。
 いまHADOが導入されているのは、ハウステンボス、イオン、ジョイポリスだけなので、まだまだこれからですよ、本当に。
体験できる場所が増えれば、普段ゲームをやらない人やスポーツをやらない人でもHADOだったら気軽にできるよっていう状況をつくれたら面白いと思うので、そういう形でいろんな人を巻き込んで、もっと面白くしていきたいです。


編集後記:福田氏はVR/ARが普及するには体験施設が増えることが必要だと言う。
「かめはめ波」を作り、新しい世界を実現しようとしている彼らではそう遠い日ではないのでは。今後の活躍に注目です。
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この記事の執筆者

妹尾 亜紀子(セノオ アキコ)

妹尾 亜紀子(セノオ アキコ)

MMD研究所 編集部員

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