コラム
2022年11月2日
適切な設問設計とは② ~設問文・選択肢の基本的なルール~
目次
■ はじめに
■ 対象者によって定義が曖昧な言葉を使わない
■ 誘導する設問にしない
■ 誰にでも分かりやすい言葉を使う
■ おわりに
はじめに
前回のコラムでは、実際に配信する設問や選択肢の作り方をご紹介しました。
今回は調査票で使う文言で気を付けるべきことをご紹介します。
調査票を作成するにあたり、
「どのように設問や選択肢を考えればよいのか?」
「そもそも設問設計にルールなんてあるの?」
という方におすすめです。
今回のコラムも、2択の問題を3問ご用意いたしました。設問設計において適切なのはどちらか、考えながら読み進めていただけますと幸いです。
対象者によって定義が曖昧な言葉を使わない
まずは、こちらの設問です。①と②の設問の、どちらが適切でしょうか?
正解は②です。
①の設問文は「最近」、②の設問文は「直近1年間」という言葉が使われています。
この場合、①の「最近」という言葉は回答者によって定義が曖昧です。直近1年のことを思い浮かべる人もいれば、直近3ヶ月を思い浮かべる人、直近3年間を思い浮かべる人もいるかもしれません。
回答者ごとに定義が変わる用語を使ってアンケートを行うと、その結果がどの時点のものだったか、誰についてのものだったか、など曖昧になってしまいます。
アンケート結果を見る際に統一した指標でデータを扱えるようにするためにも回答者だけでなく、分析者やデータを見る人全てが同じ認識を持てる表現を心がける必要があります。
誘導する設問にしない
次に、こちらの設問です。①と②の設問、どちらが適切でしょうか?
正解は②です。
①の設問文に「若者に人気の」の文言が入っている点が、不適切です。
というのも、回答者の意識はとても変わりやすい性質があり、設問文に「人気の」といった誘導するような文章が入っていると、回答者は無意識に「はい」を選びやすくなってしまいます。逆も然りで、ネガティブな誘導がされていたら「いいえ」を選びやすくなってしまいます。
調査データはあくまでも客観的な数値である必要があります。たとえ本当にグランピングが若者に人気であったとしても、誘導する言葉は極力控えることが大切です。
誰にでも分かりやすい言葉を使う
最後に、こちらの設問です。①の設問と②の設問、どちらが適切でしょうか?
正解は①です。
①は設問文で「知ったきっかけ」、②は「認知チャネル」となっています。「認知チャネル(知ったきっかけのこと)」といった専門的な言葉は一般の方に通じないこともあるので、「知ったきっかけ」など、かみ砕いた表現を使う方が好ましいと言えます。
業界でよく使われている言葉でも、「誰にでも分かる言葉か?」を考えてから、設問に記載する必要があります。
おわりに
3問ご用意しましたが、何問正解したでしょうか。細かなルールですが、間違えやすい点もあったかと思います。細かなところまで気を配って調査設計を行うことで、調査目的に沿った調査を実施することができます。
また、調査票作成時の注意点についてご紹介した資料もございます。「データをダウンロードする」ボタンから、ぜひご覧ください。
※今回は調査票作成時の注意点についての資料をPDFでご用意しています。
調査概要や調査項目が分かる資料を
PDFでご用意しています。
下記よりダウンロードください。
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適切な設問設計とは ~設問文・選択肢の基本的なルール~
- 第1回
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