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コラム

2016年3月8日

店頭での格安SIMの取扱いについて見に行ってみた。

総務省のタスクフォースでの一連の発言や、携帯端末一括0円や大量キャッシュバックの廃止などを追い風に、更なるシェア拡大が見込まれる格安SIM。とは言え、昨年末弊社でリリースをした格安SIMの利用率を見ても、6.9%に留まっているのが現状です。


※2016年1月調査「格安SIM利用意識調査」販売中

イノベーター理論にそのまま当てはめて考えると、今はアーリーアダプター層が利用し始めている・・・そんな状況でしょうか。

巷でよく言われている格安SIMユーザー像は、「インターネットリテラシーの高い30~40代男性」です。実際、調査していてもWEBで認知し、契約に至った30~40代男性が多いのも確かです。ただ、最近の調査では徐々にではありますが、「20代の男女」「女性のユーザー」も少しずつ増えている・・筆者としてはそんな印象をもっています。また、これは2015年の夏にとった調査ですが、店頭契約がWEB契約の件数を上回る調査結果が出ました。



契約プランと契約時期をクロス集計した調査(格安SIM購入時意識調査)では、ここ最近の契約では音声プランの契約が増えているような結果も出ています。MNPを検討するユーザーにとっては、「電話の使えない空白期間は避けたい→店頭で契約だ!」という心理は確実にあるように思います。(実際のところ、筆者もそうでした)。今では、事業者のサービスも進化し、自宅でMNPができるサービスもありますが、そういったサービスも一部の事業者に留まっている事もあり、店頭での即日MNPは、店頭販売での売りのひとつになっている事は間違いないでしょう。

こちらは、弊社で販売させて頂いている前述の「格安SIM購入時意識調査」から、入手経路をきいた設問を抜粋したものです。


※2016年2月調査「格安SIM購入時意識調査」販売中

ここでは、店頭での購入は合わせて約30%という数字が出ています。Webと比較するとまだまだ少ない数字ではありますが、長い間キャリアショップや家電量販店などで、携帯電話を購入してきた日本人にとっては、リアル店舗での購入手続きは馴染みのある購買経路であり、今後の伸びが見込まれている販売チャネルです。

そこで今回は、家電量販店で格安SIMはどんな売られ方をしているのかを、実際の店舗を見て回ってみました。



時間は平日の午後、場所は都内の家電量販店です。

まず驚いたのは、プリペイドSIMの取り扱いの多さです。プリペイドが伸びているという情報はニュースでも目にすることがありましたが、売り場の棚を見てみると非常にそれを実感できました。ただ、このプリペイドSIMの取り扱いについては、全国規模のものではなく場所柄も関係してそうだな・・というのは筆者の見解です。
というのも数ヶ月前に私用で行った地元の家電量販店ではそれほど見ませんでしたし、今回の店舗が外国人観光客の多い立地にある店舗である・・というのが影響してそうな気もします。実際私が立ち寄った時に、外国人が友人らしき日本人を通訳に挟んで、店頭とSIMのやり取りをしている姿も見かけました。

続いて、格安SIMカードのコーナーに足を向けてみると、データ通信プラン、音声プラン共に大量に陳列されていました。ブランド数で10以上は取り扱われていたように記憶しています。
各サービスのパッケージデザインは当然異なりますが、同じ大きさのSIMカードが、何Gプランで\○○円~といった表示が並ぶので、予備知識なしで、ここから選ぶのは少しハードルが高いと感じました。

最後に、SIMフリー端末コーナーです。前述の地元店舗では、5~6端末ある程度だったと記憶していましたが、ここでは20以上の端末が並んでおり、SIM同様力を入れている事が伺えました。これは筆者個人的な見解ですが、SIMと端末をバラバラに買う習慣のなかった日本人にとっては、SIMと端末を別途で購入すること自体が、まだまだ抵抗があると思っています。

こういった大きな店舗で、SIM・端末共に数多くの選択肢を選べる環境を与えられて、自身に最適なSIMと端末をそれぞれチョイスするには、相当なリテラシーと購買に踏み切る一押しが必要になりそうだとも感じました。
やはり、購入者の心理的には、2~3つから選ぶのが、購買の意思決定に負担が少ないだろうなと思います。(※今回の店舗はいわゆる大型店舗にあたる大きさであり、店舗の規模や陳列具合でその印象は全く変わってきます。)

つらつらと書きましたが、そういった購入時のハードルを乗り越えて、実際に店頭でMVNO各社の商品が選ばれるプロセスへ強い影響力がある要素は大きく分ければこの3つでしょう。

・事前情報(広告、事業者サイト、クチコミなど)
・店員のオススメ
・棚取り

先にあげた「SIM購入時意識調査」では、実店舗での購入にあたり、事前の検討度合いを聞いています。実店舗で購入された方の半数以上が、事前にSIMを決めてから店舗で購入している結果が出ています。
参考になった情報としては事業者サイトやニュースサイトを揚げている方が多く、インターネットリテラシーの高い層が多いと言われている事を裏付けるように、自ら情報を求めて、商品を選定している事が伺えます。

当然ながらこの事前の情報収集の中では、各社の認知度に応じて、サービス内容や価格、店頭での取り扱いの有無、店頭MNPの可否等で比較されていると言えます。残りの半数以下の方は、実店舗に行く前に、いくつか候補があった方もいれば、候補がなかった方もいます。そういった方に強く影響するのは、店員のトークと棚の位置でしょう。

ちょうど私自身も次のMNPを検討していたので、少し店員さんに話を聞きました。10分近く話をしましたが、扱っている全てのSIMの話は出ないわけです。やはり比較的名前の出てくるサービスは店頭MNPできるサービスが多く、また棚の位置も目線に近いものが多くなります。
数多くのSIMが並ぶ中で、予備知識もなく、店員の説明もない中で、足元に陳列されているSIMに興味を持つ・・というのはやはり稀なケースになってしまうでしょう。
(勿論、既に契約先を決めた、購入だけを目的とした来店は別です。サービスとしての契約目的ではなく、商品としての購入目的・・いわばカタログ機能で置いているのであれば、十分販路としての役割を果たしていると言えます。)

先に挙げた調査の例では、半数以上の方がサービスを決めて店舗に行ったとはありますが、実際の購買心理では、「99%決めて行ったけど、最後に店員のお墨付きが欲しかった」というケースもあるでしょうし、「サービスは決めていったけど、店員のトークで別のサービスに決めた」というケースもあると思います。
購買心理には、様々な要素が絡んでいて一概には言えない事ではありますが、インターネット調査の結果と店頭の様子から見えてくる事としては、

・店頭での戦いは、半数以上が始まる前に決着がついている


・(リテラシーが必要な商品なので)事前に決め切れなかった消費者にとっては、店頭での情報は購買行動に影響を与える。


といったことが言えそうです。

インターネットリテラシーの低い層への普及がMVNOのキャズム越えの鍵だと言われていますが、馴染みのあるキャリアケータイの販路であるリアル店舗での購買・手続きは十分その後押しになると考えられます。
それを裏付けるように、今回のコラムでも取り上げている家電量販店での取り扱い拡大、TSUTAYAやイオンなどの既存店舗を活かした販売戦略(イオンは2/26より既存店舗200店以上でサポート対応という発表がありました)、楽天CAFEなどの専門ショップでの対応など各社が創意工夫を凝らしています。今後も販売側の新しい販売戦略を楽しみにしたいと思います。

今回は簡単にご紹介させて頂きましたが、弊社ではご要望に応じて店頭調査などの実地調査のご依頼もお受けしています。格安SIMサービスや端末に特化した覆面調査(ミステリーショッパー)となりますが、興味いただける場合は商品資料をページ下部にある「データをダウンロードする」からダウンロードください。お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。

次回のコラムは、販売側ではなく消費者側、その中でも今後サービス提供側が押さえていきたい女性層の「利用者」、「検討者」、「未検討者」へのグループインタビューの概況をお伝えできればと思います。

※「MMD研究所ミステリーショッパー(覆面調査)」サービス資料は下記よりダウンロード可能です。

調査概要や調査項目が分かる資料を
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