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音楽のオンラインライブに関する調査からみる、今後の通常ライブとのバランス

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日付:2021/1/19

執筆者:MMD研究所

音楽のオンラインライブに関する調査からみる、今後の通常ライブとのバランス

音楽のオンラインライブに関する調査からみる、今後の通常ライブとのバランス

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【目次】


■ コロナ禍で始まるオンラインでの音楽ライブ配信サービスとは

■ 有料オンラインライブの利用経験者の視聴きっかけとは?

■ 今後のオンラインライブの定着と通常ライブとのバランス






■ コロナ禍で始まるオンラインでの音楽ライブ配信サービスとは



2020年、新型コロナウイルス感染拡大により、日本全土で緊急事態宣言が発令され、ライブ会場でのエンターテインメントや、イベントなどは開催自粛をせざるをえない対応なりました。緊急事態宣言中の4~5月は、全くライブやイベントを行えない状況下にあり、緊急事態宣言が解除された後も「密」を避ける行動から、イベントの収容人数は規制され、消費者のライブやイベント離れのきっかけになってしまったとも考えられます。

そのなかで、エンターテインメント業界に属する各社は対策として5月以降にオンラインでの音楽ライブ配信サービスの提供を始めたところが多く見受けられました。
どれほどの人が音楽ライブに触れることができているでしょうか。MMD研究所で先日リリースした「音楽のオンラインライブ視聴に関する実態調査」の結果から、オンラインでの音楽ライブ配信サービスの現状をお伝えしていきます。

まず消費者が普段どれくらい音楽に触れているのか見ていきます。
全国の15歳~69歳の男女20,000人を対象に、普段から音楽を聴いているか聞いたところ、「聴いている」と回答した人は78.7%となりました。さらに聴取の仕方を聞いたところ、「動画再生サービスで無料で聴いている」が42.2%で最も多いことがわかりました。このことからも、普段から音楽を聴いている人の半数以上が生配信ではありませんが動画から楽曲に触れていることがわかります。

また次いで「テレビで聴いている」が31.2%で2番目に来ており、このことからも音楽だけでなく、アーティストが歌っている姿ありきで音楽を楽しむ人は多いのではないでしょうか。

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次に、音楽ライブ配信サービスの認知について見ていきます。
普段から音楽を聴いている15,735人に、無料ライブ配信サービスと有料ライブ配信サービスについてそれぞれ聞いてみたところ、1回でも利用したことがあると回答したのが無料ライブ配信サービスは31.2%となり、有料ライブ配信サービスは14.4%となりました。

通常のライブと同様に、チケットを購入してライブを見る有料ライブ配信サービスは60.0%の人が内容を含め知らない結果となりました。また、年代別に見てみると、無料有料どちらも10代の認知が高く、年代が高くなるにつれて認知度が低くなっていっています。しかし、有料に関しては「全く知らない」と回答した人は、どの世代も2割程いるのが現状です。
有料ライブ配信サービスに関しては、開始し始めたばかりのサービスでもあるため、知らないから使っていないというケースもまだまだ多いのではないでしょうか。

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■ 有料オンラインライブの利用経験者の視聴きっかけとは?



日本国内のライブ市場を見てみると、2019年の段階で総売上高が3665億0459万円とACPCが発表しています。(※出典元:(一社)コンサートプロモーターズ協会
これは前年同期比の106.3%にあたり、年々右肩上がりで規模を拡大していっていることがわかります。しかし、2020年新型コロナウイルスの感染が拡大し、2020年上半期は前年の上半期の33.9%となってしまいました。

ではどれくらいの人が実際のライブに参加したことがあるのでしょうか。
普段から音楽を聴いている15,735人に、通常ライブに参加したことはあるか聞いたところ、「参加したことがある」と回答した人は48.9%という結果になりました。

次に、通常のライブに比べてオンラインライブはいったいどれくらいの方が実際に参加しているのか見てみます。
オンラインライブの利用経験は無料が31.2%、有料が14.4%と第1節でも記載した通り、通常のライブと比べて無料は17.7ポイント差に対し、有料は34.5ポイント差が出てしまっていることがわかります。
内訳を見てみると、「1~2回利用したことがある」が無料は10.2%、有料が7.5%となり、「3回以上利用したことがある」が無料が20.9%、有料が6.9%となっています。

1~2回の利用は無料と有料で2.7ポイント差しかないのに対し、3回以上の利用に関しては14.0ポイント差と大きく差が出でいるのが現状です。サービス提供自体が近年始まったばかりこともあって、リピートして有料利用はまだ経験が少ないことがわかります。

では、実際にどんな人が有料ライブ配信サービスを利用しているのでしょうか。
有料オンラインライブに参加した2,263人に参加理由を聞いたところ、「好きなアーティストが実施したから」50.4%、次いで「好きなアーティストに売上面で貢献をしたいと思ったから」が21.7%とアーティストに対する貢献心に関する項目が上位となりました。

特に女性が多く、「好きなアーティストが実施したから」が男性よりも23.6ポイント高い結果となっています。
男性は「好きなアーティストが実施したから」がトップに来てはいるものの、2番目には「移動せずに自宅でゆっくり視聴できるから」や「ライブやイベントが自宅から離れた会場で実施されても視聴できるから」などのオンラインライブ特有の利便性を感じていることがわかります。

有料オンラインライブの相場感としては2,000~3,000円と通常のライブの半額以下の設定のものが多いですが、ライブチケットのコストに関する意識は9位に来ており11.3%しかいませんでした。
こういったところから、オンラインライブに現在参加している人の特徴としては、アーティストのファンであり、特に女性はアーティストへの熱量、男性はオンラインの利便性を感じられれば金額はあまり意識されていないまたは妥当と考えられます。

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続いて、オンラインライブを知っているが参加しない9,360人のオンラインライブに参加しない理由を見てみます。
参加しない理由としては「通信料金がかかるから」が21.0%でトップに来ており、次いで「オンラインなのに参加するための金額が高いから」が16.4%、「利用方法がよく分からないから」が14.3%となりました。

オンラインライブの価格帯としては通常のライブの半額以下にも関わらず、オンラインだからこそ発生する費用を余分に感じてしまい、オンラインでの価値をあまり見いだせていないと考えられます。新しいものへの抵抗感が大きいのではないでしょうか。
しかし、オンラインライブが通常のライブよりお得で通常ライブとはまた違った価値がある、そういった体験を1度したり、人から聞いたりすることによって参加する可能性は大いにあると考えられます。

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■ 今後のオンラインライブの定着と通常ライブとのバランス



新型コロナウイルスの影響でGoToイベントキャンペーンを国が政策として行い、オンラインライブもチケット代金2割引きの対象となりました。そこでGoToイベントキャンペーン対象でABEMAが初めてオンラインライブを行いました。
また2021年1月8日より、再度一部地域に緊急事態宣言が発令されたことにより、自宅でアーティストと交流する時間が設けられることが増えたことにより、オンラインライブが浸透していくのではないでしょうか。

通常のライブに参加した人7,688人の参加理由も見てみると、オンラインライブに参加した理由と同様に、アーティストに関する項目が多く、「特に好きなアーティストだったから」が46.0%ともっとも高い結果となりました。そこから、十分にオンラインライブに参加するための需要は補えると考えられます。

では通常のライブに参加するのをやめたまたは参加していない12,577人の参加しない理由を見てみると、「人混みが嫌いだから」が最も多く17.9%、「チケット代が高いから」が17.6%と通常のデメリットの上位はオンラインライブであれば参加意向に高まる内容が上位に来ました。

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今回の結果から、オンラインライブは今後浸透していき、通常ライブの開催がむずかしい時にこそ消費者の視点に入ってくると考えられます。
そこで試しに参加したファンになる可能性がある人にどれだけアーティストに魅せられるか、特別感を感じさせられるかが今後カギになるのではないでしょうか。小さい、同じ角度からしか見えないなど様々なオフラインライブには障害がある中、すでにABEMAでは「マルチアングル機能」やライブ中に視聴者が投票という形でリアルタイムに参加ができる「投票機能」など追加しています。
筆者の感想として、通常のライブであれば、"席"という自分だけの特別感やドキドキ感、アーティストを映像以外で見ることができることにより親近感を得ることができると感じています。例えば、席が近くアーティストの視線の先に自分がいるとわかったらどうでしょうか。ファンでない人が興味本位で参加したオンラインライブでは体験できず、席の抽選の楽しみを感じている友人なども側におらずそういった特別感を感じにくいでしょう。そういった通常ライブにある席による視点で、優越感・特別感がオンラインにも今後求められ追及したのち、通常のライブと同じくらい価値を消費者が感じてくるでしょう。


MMD研究所ではこれからも、オンラインライブにまつわる調査データを引き続き発表していきます。
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MMD研究所(編集部員)

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