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2012年3月13日

Vol.5 「夢展望」2012年の スマートフォンでの売上比率は50%を予測

執筆者

執筆者

吉本 浩司

企業インタビュー
Vol.5 「夢展望」2012年のスマートフォンでの売上比率は50%を予測

~IRや経営理念の公開に力を入れることで自社ブランディングを行った~


2011年9月に実施した調査では、スマートフォンでのネットショッピング利用率が50.2%だった。(スマートフォンでのネットショッピングに関する利用実態調査より)
そこで、今回はファッション通販事業を展開し、スマートフォン経由でのネットショッピングを牽引している夢展望株式会社 代表取締役社長の岡 隆宏氏に今年度の経営方針である「スマートフォン」「グローバル」「ソーシャルメディア」の3つのキーワードについて話を伺った。

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夢展望株式会社 代表取締役社長の岡 隆宏氏








----試着アプリ「夢コレクション」のリリースなど、スマートフォンへ注力をされていると思いますが、スマートフォンからの売り上げ比率について教えてください。
2011年9月の時点でスマートフォン経由での売上比率は15%でした。
しかし、2012年1月~2月のスマートフォンからの売り上げ比率は28%と倍近くになり、3月では30%以上に達するのではないでしょうか。
また、当社では2013年にスマートフォンの売り上げ比率を50~60%と見込んでいましたが、本年だけで50%を見込めるのではないかと予測しています。

----御社の強みを教えてください。

当社は画像に力を入れているので、この点は強みだと考えています。
特に、スマートフォンでは画像を大きく使うことができ、商品ページと実物の差で返品される「イメージ違いの購入」というのが減りました。

試着アプリからの売り上げは、徐々に増えています。現行の仕様に満足はしていないので、これからもっと改良を加え、お客様が使いやすいアプリにしてきます。

企業インタビュー


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もう一つの強みとしては、今年度の経営方針とは合致しませんが、取引先との関係値です。
弊社がモバイルECを始めたころ、取引先を開拓するのに苦労しました。だからIRや取材メディアへの対応などに力を入れ、ビジネスモデルや経営理念をすべて公開することで弊社に対する信頼の基盤を作り、取引先へのブランディングに力を入れました。その結果、当時は珍しかったアパレルECというものに対して、取引先に安心感を与え販路を拡大できたことは非常に大きいと考えています。

----御社のグローバル展開についてお話を聞かせてください。
弊社は楽天の「ショップ・オブ・ザ・イヤー2011」の海外販売賞を受賞しました。海外への輸出が一番多かったということです。
輸出が多かったと言って日本のファッションが中国や台湾で流行っているわけではないのです。残念ながら日本のファッションはあまり意識されていません。
海外で売れているのはシンプルなナチュラル系の商品やフリルなどをたくさん使ったプリンセス系の商品が売れていますね。
割合が多いわけではないですが、販売している国のターゲット母数が多いので、多く売れているのです。ニッチな商品がニッチではなくなっています。

商品開発について、日本人向けのデザインは東京と大阪で、中国、台湾でのデザイナーは現地の人間を雇用し、現地の意見を取り入れています。商品から販売までを一貫として手掛ける小売業のビジネスモデルを構築しています。
また、各国で定点観測、グループインタビューなども実施して現地の流行を取り入れています。

----ソーシャルメディアの活用について教えてください。

一方通行の広告展開ではお客さんが信用しにくくなってきたということもあり、ソーシャルメディアを使い、お客様への話題提供に力を入れています。
正確な計測はしていませんが、ソーシャルメディアから商品購入のお客様は増えてきていると感じています。共感・共有して、同じ価値観を持った人たちのコミュニティの中で安心して商品を購入する。それがソーシャルメディアの強みだと考えています。
我々のお客様で親和性が高いのがDECOLOG、アメブロ、mixiです。

20代の女性ではTwitter、Facebook、などは広がっていないので、そこを軸にいずれは強化していきたいです。
ソーシャルメディア担当ではチーム毎に情報を提供していて、約20名が携わっています。
ソーシャルメディアを運営するにあたってガイドラインは引いていますが、基本的に運営担当者に任せており、お客様とのコミュニケーションを重視しています。

----今後の展望について教えてください。
企業インタビュー
今年は弊社を含めたEC事業者にとって激動の一年になると思います。
スマートフォンでのネットショッピングはマーケティング、プロモーションの仕方が全く違います。
フィーチャフォンで我々が培ってきたノウハウはスマートフォンではあまり通用しません。
しかし、スマートフォンだと掲載できる情報量が違うので画像に力を入れている当社は差別化することが出来、また強みを活かすことが出来ると考えています。
例えば、動画等のリッチメディアを使うことで、もっと表現の可能性が広がり、以前からスマートフォンに力を入れていた当社にとってはチャンスだと捉えています。
弊社は女性向けECのリーディングカンパニーとして常に真似されない様、先を走り続けていきますよ。

社内について今後の展望ですが、特に人事マネジメントに注力して、いつまでも社員がモチベーション高く働けるような環境を作っていきたいです。

当社のコンセプトは低価格、画像がキレイ、品揃えの数です。
常にお客様にわくわく・ドキドキしてもらいたい。そんなエンターテイメント性の高いコンテンツやサービスをこれからも提供し続ける企業でありたいです。




【会社】夢展望株式会社

企業インタビュー
【サービス】夢展望




----編集後記(MMD研究所:妹尾 亜紀子)
同社が提供する、試着アプリ「夢コレクション」デフォルトのモデルに洋服を試
着・コーディネートするだけではなく、自分の写真をもとにコーディネートする
ことができます。洋服だけではなく、靴やバックまでコーディネートできます。
小物までに気を使うという、ユーザーへの配慮、それがスマートフォンからの売上
比率を3割占めている要因のひとつではないのでしょうか。
今後のスマートフォンEC業界での活躍を楽しみにしております。



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