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2011年4月7日

コラム|ソーシャルメディアのトレンドとモラル


今回は、今注目されている主要なソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の中から、mixi、Facebook、Twitterについての調査結果を基に、各サービスの利用に対する意識を分析したい。今回の調査サンプル総数は2,584。各サービスの登録ユーザーについて分析をしてみた。

まず利用率については、mixiに登録したことがあるユーザーが57.6%。twitterは52.2%。Facebookは31.3%と、やはりmixiは国内で支持を得ている状況である。
また、mixiは実名ではなく知人がわかる範囲でのニックネームで利用しているユーザーが60.8%と、実名でプロフィール登録しているユーザーの12.0%を大きく上回っており、複数アカウントを管理しているユーザーは、twitterで25.9%、mixiが8.9%、Facebookも8.9%とtwitterは複数のアカウントを使い分けて利用しているユーザーが若干多いとの結果も出ている。
またFacebookについては、女性の登録ユーザー比率が15.1%と、mixi(54.0%)、Twitter(43.0%)に比べ非常に少ないことが調査結果でわかった。





mixiの登録動機は、「誘われたから」「ゲームやアプリが面白いから」「友達や仲間さがしとして使いたいから」という理由が多くみられ、twitterの登録動機としては、「仕事の情報源」「好きなアーティストや芸能人のリアルタイムな情報収集」「ゴシップなどの生の情報収集」「とりあえずみんながやっているから」などの理由が多くを占めた。それに対してFacebookの登録動機については、「実はよくわかっていない」「話題性があるから」「世界で流行っているから」と、目的意識がはっきりしないまま登録しているユーザーが多かった。

これらの結果背景には、日本人特有の文化があると筆者は感じる。「実名や顔写真が世界に広まってしまうのはイヤだ」「プライバシーが守れなく、悪用されそうで怖い」「プロフィールにコンプレックスを感じている人にとっては利用しにくい」など、実名登録のSNSに対するネガティブな意識が強い回答が多くみられ、逆に実名でいろんな交流を持ちたいというポジティブな理由があまり見られないのが日本の特徴かもしれない。
また逆に、ワイドショー好きな国民性の日本人にとっては、twitterは非常に利用しやすいサービスのようだ。と同時に、一時期流行った「mixi疲れ」のように、何かリアクションをしなくてはいけないという義務感がないのも、twitterが日本人に受け入れられる理由なのかもしれない。
それを表すかのように、今後日本で最も普及すると思うサービスに関する質問では、twitterが33.5%、Facebookが20.9%、mixiが11.6%と、twitterが普及するであろうと考える人が多いとの調査結果が出ている。

筆者としては今後、実名文化のFacebookでは「個に対するサービスの差別化」が進んでいき、匿名性の高いmixiは「プライバシーをある一定で保持した交流化」がより進み、そしてtwitterについては「リアルタイムでの情報発信と収集」という使われ方をする中でそれぞれのサービスの棲み分けが明確に進んでいくものと考えている。

いずれにしても、SNSに対し、気軽に便利で楽しいと感じているユーザーがいる以上に、マナーや不安に対する意識が強くみられることが今回の調査でわかった。

便利であるからこそ各サービスの特性を理解し、マナーを守って使ってもらいたい。


Facebook利用者の約8割がプロフィールで実名を公開、mixi、Twitterでは約2割
3大ソーシャルメディアのユーザーインサイト調査(2011年3月)

MMD研究所 藤本陽介 Twitter / Facebook


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